なぜ、1秒で評価が決まってしまうのか
理由はシンプルで、テレビでのネタ披露を想定すると、お笑い芸人は1秒で「おもしろそう」と思わせなければ、見ている人にチャンネルを変えられてしまうからです。皆さんもなんとなくお笑い番組にチャンネルが合わさったときに、「微妙」と思ってチャンネルをすぐに切り替えた経験があるのではないでしょうか。お笑いに関わる人間として悲しいことではありますが、「おもしろくなさそうだ」と感じさせてしまったのですから仕方がないと思っています。
つまり、お笑い芸人は「ネタそのもの」「話し方」「立ち振る舞い」「姿格好」など、どんなことでもいいので、「もう少し見てみたい」「なんか聞いてみたい」とお客さんに一瞬で思わせなければいけないのです。これは、ネタだけでなく、トーク番組やクイズ番組でも同じです。その「1秒」をものにするために結果として彼らは「頭の回転が速くなっていく」のです。
このことを踏まえて、ネタ見せでは、無茶は承知のうえで「1秒で輝くもの」の表現を求めています。これまでたくさんのお笑い芸人の卵を見てきたなかで、今、お話しした「1秒で輝くもの」を表現できた印象的な生徒が4人いました。