近年、「頭の回転の速さの象徴」としてお笑い芸人が多くの場面で活躍をしている。そんなあらゆるジャンルで活躍をし続けるお笑い芸人たちをこれまで30年間指導し、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』でも話題になった伝説のお笑い講師・本多正識氏による『1秒で答えをつくる力 お笑い芸人が学ぶ「切り返し」のプロになる48の技術』が発刊された。ナインティナインや中川家、キングコング、かまいたちなど今をときめく芸人たちがその門を叩いてきた「NSC(吉本総合芸能学院)」で本多氏が教えてきた内容をビジネスパーソン向けにアレンジした『1秒で答えをつくる力 お笑い芸人が学ぶ「切り返し」のプロになる48の技術』より、本文の一部を抜粋・再編集してお届けする。
お笑いの養成所ではビジネスパーソンのことも想定している
私はこれまで、NSC(お笑い養成所)講師として、30年以上、累計1万人以上のお笑い芸人志望者たちを指導してきました。もともとはオール阪神・巨人さんの漫才作家としてお笑いの世界に入り、今ではお笑い講師の仕事もしています。
教え子で古いところを挙げれば、先ほど名前を出したナインティナインや宮川大輔くんからはじまり、ケンドーコバヤシくんやフットボールアワーなど、近年のお笑いをつくった生徒がいます。最近の売れっ子芸人だと、本書に推薦を寄せてくれた、かまいたちの2人なども生徒の頃からよく知っており、山内くん、濱家くんの両方とちょくちょくメールでやり取りをしています。
ここまで、お笑いの話をしましたが、これらの考え方はお笑い芸人を目指す人だけが学べばいい特殊なことのように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。NSCで指導していることの多くはお笑い以外の仕事にも活用することができます。
NSCはお笑い芸人を養成する場所ですが、誰もが芸人として食べていけるわけではありません。お笑いの道を諦めなければいけない生徒もたくさんいます。ですから、せめて、お笑いだけでなく、自分の教え子でいてくれた生徒たちが、その後どんな仕事についても活躍できるよう、お笑いのアプローチで多くのことを伝えるようにしています。実際にこんなエピソードがあります。