日本・韓国・台湾において酒を飲める男性
と飲めない男性の収入差

“飲みニケーション”は幻想、お酒は仕事上の打算ではなく自分のために飲むものだ日本・韓国・台湾において酒を飲める男性と飲めない男性の収入差 出所:K awaguchi, Lee, Lin and Yokoyama( 2023)“ Is AsianFlushing Syndrome a Disadvantage in the LaborMarket?”Health Economics.

 5月8日より新型コロナウイルスの感染症法上の取り扱いが「5類」に移行することで、さまざまな社会活動がコロナ前に戻りつつある。職場での飲み会も徐々に復活しているが、体質的にお酒が飲めず飲み会を楽しめない人もいる。お酒が飲めないことは働く上で不利なことなのだろうか?

 この疑問に答えるために、筆者は日本、韓国、台湾の共同研究者と共に、アルコール耐性がどれほどあるかを示すアルコールパッチテストの結果と併せて、所得や労働時間を聞くサーベイ調査を約3300人の男性を対象に行った。

 データ分析の結果、飲める男性は飲めない男性よりも飲酒頻度と1回当たりの飲酒量が多いことが分かった。この結果は3カ国で一貫しており、学歴や年齢の要因を取り除いても結果が変わらないことが確認できた。