1on1ミーティングを取り入れたものの、何を実施したらよいかわからず形骸化してしまうケースが増えている。しかし、ある質問を実施するだけで、誰でも効果的な1on1を行える。メンバーの意欲と能動性が高まるとっておきの手法を紹介しよう。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)
1on1が形骸化していないか
1on1ミーティングを実施する企業が増えている。目標設定面談、進捗管理面談、評価面談というような特定の目的を定めた面談とは別に、リーダーと面談で、定期的に対話するミーティングを1on1と呼ぶことが多い。
あえて目的を定めないで面談することで、メンバーのモチベーションレベル、能動性を高めることが狙いだ。相互のコミュニケーション、エンゲージメントのレベルを向上させるために、有効な手法だ。
リクルートマネジメントの調査によると、企業における実施率は67.7%と実に3分の2を上回り、社員数3000人以上の企業では75%を超えているという。
ところが、1on1を行うリーダーからは「1on1で何をどうすればよいかわからない」という相談を受けることがよくある。「結局、いつもの指示・命令をするだけで終わってしまう」「雑談に終始してしまう」というのだ。
メンバーからは「人事から実施しろと言われているから、リーダーがいやいや行っているように思える」「“実施した”という記録を残すためにやらされている」「形骸化していて、時間の無駄」という声が届く。
1on1ミーティングを、リーダーにとっても、メンバーにとっても意味のあるものにできないだろうか。1on1の効果を高めるために、リーダーは何をどうすればよいのだろうか。
実は、1on1の冒頭ですべき質問がある。これを実施するだけで、メンバーのモチベーションレベル、能動性が高まり、1on1の効果が飛躍的に向上するのだ。