時間切れの会議や
見せかけの会議が頻発している
会議を実施しても、途中から異論や懸念が噴出し、紛糾し、一定時間内に合意形成できずに、時間切れになってしまうことがある。これを繰り返していると、いつまで時間を費やしても、何度話し合っても結論に至らないので、「もう対話や会議で発言してもしょうがないという」諦念が生まれ、見せかけの対話や会議が行われることになる。
特にリモート会議では、この見せかけの状況が頻発している。カメラオフで、相手の顔を見えず、賛成なのか反対なのか、関心があるのかないのか、そもそも聞いているのかいないのか、そこにいるのかいないのかが分からず、見せかけ度合いが高まっている。
“マイクは話すときだけオンにする”という暗黙のルールによって、“マイクをオンにしてまで発言することではないな”というように、無意識のうちに自分が発言することにハードルが生まれてしまい、会議全体の発言量が低下する。
そうしているうちに、意見が出ないうちに会議は終了してしまう。反対意見が出なかったのだから、参加者全員賛成だろうと思いきや、誰も何も腹落ちしていないので、会議を終えても実行に移されないということが繰り返される。
時間切れにもならず、見せかけの状態にも陥ることなく、一定時間内に参加者の合意形成を実現できるようになる方法はないだろうか。
筆者は、20年来、主としてM&Aの当事者企業同士の合意形成をサポートしてきた。買った会社、買われた会社のそれぞれの管理部門の責任者や、コンサルタントとして合意確度を高め、合意時間を短縮できる方法をモデル化しては実行してきた。
正直に申し上げて、いまだに、低い合意度を一発で合意度100にする方法は開発できていない。しかし、限られた時間で、そこそこ合意度を上げ、その方法を3回程度繰り返せば、1時間あれば合意形成できてしまう方法はモデル化できた。4つの質問で合意形成する方法だ。