働きながら3年で、9つの資格に独学合格! 大量に覚えて、絶対忘れないノウハウとは?
「忘れる前に思い出す」最強のしくみ、「大量記憶表」を公開!
本連載の著者は棚田健大郎氏。1年間必死に勉強したにもかかわらず、宅建試験に落ちたことをきっかけに、「自分のように勉強が苦手な人向けの方法を編み出そう」と一念発起。苦労の末に「勉強することを小分けにし、計画的に復習する」しくみ、大量記憶表を発明します。棚田氏の勉強メソッドをまとめた書籍、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』の刊行を記念して、寄稿記事を公開します。

【副業バレた】税理士に相談して、会社にバレないよう副業したけど結局バレた! なぜ?Photo: Adobe Stock

副業したら、会社にバレました

「副業はバレるのか」というお問い合わせをよくいただきます。ズバリお答えします。

 何しろ、私自身が会社員の時に副業をやっていましたから、どうなるのか正確にわかります。

 まず結論から言います。副業をすると会社にバレます。さらにもう1つ言うと、「会社にバレない方法」とよく言われている「法人設立」をしても、会社にバレます。

 私は実際に会社員の時に事前に税理士に相談しました。「法人化したら、今の勤務先にはバレずに済みますか?」と聞きました。そうしたら、「バレません 大丈夫です」と言われました。ところが、実際にやってみたらしっかりバレました。じゃあなぜバレたのか。

 副業は、最近就業規則の国が出しているモデルが改正になって、原則禁止からOKに変わったことで民間企業の就業規則も副業OKにするケースが徐々に増えてきました。

 特にITベンチャーなんかだと、会社員やりながらカフェを経営する人なんかも出てきているそうです。とはいえ、会社に副業をすると言い出しにくいという人は多いでしょう。

 でもやりたい。じゃあ内緒でやればばれないんじゃ。そう思いたいですよね。わかります。でもバレます。

ポイントは住民税

 副業をすれば、所得を得ることになります。例えば、副業で飲食店でアルバイトをしたとします。すると、アルバイトで稼いだ所得が発生します。

 通常、会社員の給料は会社が源泉徴収して年末調整しているので確定申告する必要はありませんが、副業などで2ヵ所以上から収入を得ている場合は、別途確定申告をして合算した所得に対する所得税をきちんと納めなければなりません。

 また、アルバイトの給料は源泉徴収されているので、人によっては控除額が多いと源泉徴収された分が還付されることもあります。

 このように個人として副業をすると、確定申告が必要です。ただ、所得税を納めたり還付を受けたりするだけであれば、税務署とのやり取りだけなので、会社にバレるわけではありません。

 ではどこでバレるのでしょうか。それはズバリ住民税です。

 そもそも住民税って皆さんどうやって支払っているかご存じですか?

 会社員の場合は、給料から天引きされています。住民税の金額は所得割といって、所得に応じて税金が高くなる仕組みがあるので、副業でアルバイトをするとその分所得が増え、住民税の金額が自動的に値上がりします。

 大体毎年5~6月頃に住民税決定通知書という書類が発行されます。住民税課税決定通知書とは、その名の通り決定した住民税の金額を通知する書類です。住民税とは、道府県民税(東京都は「都民税」)と市町村民税(東京23区は「特別区民税」)の総称で、この税金の金額は、前年度の所得から算出されます。

バレるメカニズム

 会社等に勤務している場合、毎年5~6月ごろに勤務先から渡され、6月から翌年の5月まで給与から前年度分の住民税が天引きされるのです。つまり、

・副業をして所得が増えると住民税が増える。
・増えた住民税の金額が記載された住民税課税決定通知書が会社に届く。
・総務や経理の担当者が見る。
・会社の給与が増えていないのに、不自然に住民税が増えていることに気が付く。
・副業がバレる。

自分で住民税を納付すればいい?

 こういう流れです。ちなみに「給与から天引きする特別徴収じゃなくて、自分で住民税を納付する普通徴収に変更すればいいのでは?」といわれることがあります。

 しかし、東京都主税局によると、給与所得者の個人住民税は原則として特別徴収の方法により徴収しなければなりません。したがって、従業員の希望により普通徴収を選択することはできません。

 ちなみにこういう話をすると、じゃあ確定申告しなければいいじゃん、とか言われそうですが、申告すべき所得がありながら申告をしないのは大問題です。

 たとえ勤務先に気づかれなかったとしても、税務署から申告もれを指摘されることがありますし、そこから税務調査に発展してしまうこともあります。さらにマイナンバー制度の開始によって、税務署は今まで以上に皆さんの所得を把握できるようになりました。申告をしていなかった所得を後から指摘された場合、本来納める税金に加えて延滞税や加算税などの対象となる可能性もあります。

 一般的に所得20万円以下であれば、副業分の確定申告は不要といわれています。ただしこれは所得税の話。住民税については別途地方自治体に申告をする必要があります。

 また一般的に所得20万円以下であれば、副業分の確定申告は不要と思っている人がいるんですが、これはちょっと注意が必要です。

 確かにそうなんですが、それは所得税の話です。住民税については別途地方自治体に申告をする必要があります。だから、住民税が変動します。会社にバレます。そういうことです。

法人設立してもバレました。なぜ?

 私はこの流れを知っていたので、個人事業主として副業をするんじゃなくて、法人設立して所得を管理すれば、会社にバレずにできるのではと思って、税理士に相談しました。

 その税理士から「大丈夫そうだ」というので、会社を設立してやったんですが、結論から言うとこれもばれました。

 会社は別々だから、それぞれ源泉徴収すればバレないように感じるかもしれませんが、そうではないんです。副業で会社設立して報酬をもらうと、2つ以上の勤務先があることになり、健康保険料などがもらっている給料の割合に応じて按分計算されることになるんです。

 すごく単純に説明すると、「本業で90万円、副業で10万円」の収入があるとします。

 仮に健康保険料が1万円だとすると、本業の会社で9000円、副業の自分の会社で1000円を健康保険組合に納付することになります。この按分計算された明細書が健康保険組合からそれぞれの会社に届くので、ものの見事に副業がバレます。

 ちなみに、副業の報酬額をころころ変えると、その都度この明細書が本業の会社に届くのでかなりめんどくさがられます。これは結構困りましたね。

 ですから、結論、副業をすると会社には必ずバレます。

 だから、ちゃんと会社に伝えたうえで副業をするのが一番無難でしょう。ちなみに、バレるのは所得が増えたということだけなので、何の所得をどこから得ているのかはわかりません。

 うまく言い逃れする方法もなくはないですが、正直厳しいですね。これは実際に私が以前にやってみた実体験を基にした意見です。