「読者が選ぶビジネス書グランプリ2023」でビジネスパーソンから圧倒的な支持を受け、総合グランプリとビジネス実務部門賞のダブル受賞という快挙を成し遂げた『佐久間宣行のずるい仕事術』。人気プロデューサー・佐久間宣行さんが20年以上かけて磨いてきた「誰とも戦わずに、好きなことで、効率的に成果を出す方法」を伝授する本書には、「これはヤバい、めちゃくちゃ面白い」「心の支えになる『お守り』みたいな本」「自分史上ナンバーワンのビジネス書になった」と絶賛の声が多く寄せられており、仕事で悩む同僚や部下にそっとこの本を渡す人が増えているという。
そこで受賞を記念し、その悩み「佐久間さんに聞いてみよう」をテーマに、仕事にまつわる悩み・質問を大募集。本連載では、読者から寄せられた質問に佐久間さんが答えた、職場の人間関係やメンタルの改善、就職・転職活動に今すぐ役立つ「ずるい仕事術」を公開します。(構成:根本隼)

「本当に向いている仕事」と「実は向いていない仕事」どうやって見分けるのが正解?

Q. 「自分に合う仕事」の探し方が知りたいです

質問者:男性
――就活は、自分と企業との「マッチング」だと言われますが、自分に何ができるのかよくわからないし、何をマッチングさせていいのか途方に暮れています。

「自分に合う仕事」というのは、どうやって選べばいいでしょうか?

「本当に向いている仕事」の“シンプルな見つけ方”

佐久間さんからの回答↓
 後輩たちを見ていると、「自分の得意なことがわかってないな」と思うことがあります。

 たしかに、若いうちから自分の適性を把握するのは難しい。そんなとき、頼りになるのが「周りの人の声」その道で経験を積んできた大人の「お前ならできるよ」の声が羅針盤になるんです

 僕が大学時代に所属していたサークルの同期に、「東京MER」「マイファミリー」のプロデューサーである大映テレビ社長の渡辺良介さんや、舞台「となりのトトロ」プロデューサーの日本テレビ依田謙一さんがいます。

 僕は当時から映画やお芝居が大好きで、クリエイティブの世界に憧れがあったんですけど、彼らの圧倒的な才能を目の当たりにして、「自分はこっち側の人間じゃない」と諦めました。

 だから就活も、営業系を中心に受けることにしたんです。

フジテレビの面接で人生が変わった

佐久間さんからの回答(続き)↓
 ところが、記念受験で受けたフジテレビの面接で、人生のターニングポイントとなる出来事が起こりました。

 好きなエンタメを聞かれ、勢いのあるバンドや好きな劇団について語ったところ、「君は制作が向いているよ、おもしろいと思っているものを言語化できる人は、そのしくみやキモがわかっているから」と言ってもらえたんです。

 サークル時代の挫折から「自分なんて」と思っていたから、このアドバイスはすごくうれしかったです。その言葉を信じ、エントリーに間に合ったテレビ東京を受けたら無事に内定をもらえました。

 たったひとり(フジテレビの亀山元社長ではないかと踏んでいるのだけど真実はわからない)の言葉が、僕の人生をも変えたんです。

 だから、その道でずっとやってきた人が「お前ならこれ、できるよ」というポジティブな声をかけてくれたら、その声には耳を傾けた方がいい。それは、確かな理解とたくさんの経験に裏打ちされた言葉だからです。

 反射的に「自分なんて」とか「いやいや、向いていない」と思うかもしれないけど、その道でたくさんの人を見て、たくさんの経験をしてきた人の「できる」は、うのみにしてほしい。きっとそれはくじけそうな自分の心を支えてくれます。

(本稿は、ダイヤモンド社の公式Twitterアカウントで募集した「あなたのその悩み、 佐久間さんに相談してみませんか?」キャンペーンに寄せられたお悩みをもとにした『佐久間宣行のずるい仕事術』グランプリ受賞記念連載です)