開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕、武蔵、海城……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。代表を務める富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』では、子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が紹介され、「こんな本を探してた」「子育てに前向きになれた」と絶賛の声が絶えない。本稿では、本書から特別に一部を抜粋して紹介する。
基礎学力と集中力を同時に鍛える
多くの子どもを見ていて確実に言えるのは、簡単な計算が速い子は学力も高いということです。
基礎的な学習や集中力で見られる差は、中学受験はもちろんのこと、大学受験でも、社会人になってからの仕事力でも、想像以上の差となって現れます。
そして、こうした基礎学力は、訓練次第で伸びるということを覚えておいてください。
基礎学習については、やっている日数を重ねればそれだけ力がついていきますし、同時に集中力も鍛えられます。
基礎は計測して量をこなす
集中力を伸ばすために、計算練習などの基礎学習においては、計測が不可欠です。
その計測は、他者と比べるものではなく、その子自身の成長を計るものです。
わが子が確実に成長していれば、それでいいのです。
元巨人軍の桑田真澄さんが、今の若い野球選手はキャッチボールが下手になっていると指摘しています。
おそらく、スポーツ界でも、結果を急いで基礎練習が軽んじられる傾向にあるのでしょう。
しかし、キャッチボールの上手下手は、やがて選手としての成績や年収に大きな差をつけていくはずです。
理想が高いひとりっ子の親は、上ばかり見て基礎を飛ばしたがります。それが将来、大きな禍根を残しかねないということを忘れないでください。
(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)