グーグルが先週発表した生成人工知能(AI)に関する野心的な計画は、ある半導体メーカーにとってはまたとない朗報だった。1社限定ではあるが。10日の年次開発者会議「グーグルI/O」で行われた2時間にわたるプレゼンテーションで、グーグルはエヌビディアの「H100」を使っているとわざわざ指摘してみせた。これはデータセンター向けの最先端GPU(画像処理半導体)で、エヌビディアが今年に入って出荷を開始したばかりの新製品だ。半導体メーカー、あるいはデータセンター向け部品を手掛けるサプライヤーでここまで持ち上げられた企業は他にはない。しかも、グーグルだけではない。マイクロソフトのサティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)も先月、決算発表を受けた電話会見であえてエヌビディアに言及した。大規模データモデルを訓練する上で「当社は最も強力なAIインフラを有している」との主張に裏付けを与える狙いがありそうだ。やはり、他に社名が上がった半導体メーカーはなかった。
AI投資の追い風、半導体不況を和らげるか
エヌビディアなどから高額チップ調達が必要なテク大手、一方でコスト削減も迫られる
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