離婚弁護士のリサ・ジーダーマン氏はニューヨーク市マンハッタンのミッドタウンにあるオフィスで、結婚に関して想像し得るありとあらゆる悲惨な物語を目撃してきた。中でも特に多いのは、何十年もの結婚生活の末に、家庭で育児を担っている親にはお金がほとんど残らないという離婚だ。しかしジーダーマン氏によると、ここ1~2年、「離職」条項を含む「プレナップ(婚前契約書)」の作成依頼が増えている。この条項は、一方の配偶者が家庭に入り、キャリアをあきらめる決断を下すと発動する。ジーダーマン氏は現在、3組のカップルからの依頼でこの条項を含む婚前契約書を作成しているという。離婚弁護士によれば、一定の条件を満たすと発動するこうした「トリガー条項」の人気はますます高まり、婚前契約書に対する認識やその使い方を変える一つの要因になっている。婚前契約書は歴史的にタブー視されてきた話題で、新参者から家族の資産を守る契約と受け止められてきた。しかし近年は資産を守るツールとしてだけではなく、婚姻関係にある2人のどちらにも不利が生じないようにする手段となっている。