CAが「もっと話したい」と思った経営者のトークスキル、決め手は感嘆詞!写真はイメージです Photo:M Stock/gettyimages

人間関係に悩みを持つビジネスパーソンは少なくありません。「上司と合わない」「同僚との関係がうまくいかない」など、仕事上の悩みは人間関係に起因していることが多いものです。職場で良好なコミュニケーションを築くことができないと、仕事への意欲が失われるだけでなく、仕事の効率が上がらなくなり、最悪の場合は退職を選択する事態になることもあります。今回は、ファーストクラスに乗るエグゼクティブがどのようなコミュニケーションスキルを身につけ、円滑な人間関係を築いているかをご紹介します。(CCI代表取締役・元国際線チーフパーサー 山本洋子)

CAの「アイドルタイム」
雑談で感じた乗客の高いスキルとは

 皆さんは、コミュニケーションスキルが高い人というとどんな人を思い浮かべるでしょうか? 人と話すことにちゅうちょなく、誰にでも気軽に話しかけることができる人、あるいはスラスラとよどみなく会話を弾ませることができる人でしょうか。

 広辞苑では、コミュニケーションとは「社会生活を営む人間の間で行う知覚・感情・思考の伝達」と定義しています。日常生活で知覚や感情、思考を伝達するには、多くの場合「言葉」を使って行うのですが、実はこの使う「言葉」でコミュニケーションの質が決まってくるのです。

 長年チーフパーサーとしてファーストクラスを担当していると、いろいろな経営者や著名人と話す機会があります。あるフライトで、ファーストクラスにお乗りになった会社経営者と話す機会がありました。

 ミールサービスを終え乗務員も食事を取ったり休憩に入ったりする、いわゆるアイドルタイムといわれる時間帯にお客様と会話をすることが多いのですが、ちょっとした雑談から始まり、お客様によっては仕事の話やプライベートの話など、ときに深く話し込む場合もあります。

 お客様とチーフパーサーという利害関係のない間柄ですので、つい気を許して「ナイショの話」をしてくださるお客様もいらっしゃいます。

 日頃、ビジネスの世界で闘う経営者にとって、機内は束の間のリラックスできる非日常の空間です。そんなリラックスした中での会話はとてもフランクで、つい素が出ることが多いものです。

 この会社経営者のお客様も気取らずに気軽にいろいろなことをお話しくださいました。コミュニケーション力が高いと感じた理由は、ささいなことにありました。