写真はイメージです Photo:encrier/gettyimages
ビジネスシーンにおいて、周囲から信頼されている人にはいくつかの共通点があります。仕事の業務能力が高いということはもちろんですが、それ以上に人として基本的なマナーが身についているかどうかが大きく影響しています。ビジネスシーンにおいては、一般的にビジネスマナーといわれる円滑な人間関係を築くためのスキルが身についていることが、信頼の基本です。今日はそんなビジネスマナーの中で、エグゼクティブが身につけている「身のたしなみ」についてご紹介します。（CCI代表取締役・元国際線チーフパーサー 山本洋子）
エグゼクティブの身だしなみ、特に重視される「靴」
「たしなみ」とは、好みや趣味という意味で使われることが多いのですが、ほかにも心得や節度、普段の心がけという意味があります。「大人のたしなみ」と言えば、何かを好んで親しんだり、打ち込んだりすることや心得という意味があるほかにも、身だしなみを整えたり、他者を気遣うという意味でも使われています。
いろいろな解釈のある「たしなみ」ですが、その中でも「身のたしなみ」ともいう「身だしなみ」は、第一印象を大きく左右する大切な基本のビジネスマナーです。同じシャツを着ていても、人によってどこかだらしなく見えたり、清潔感が感じられなかったりするのは、「身だしなみ」の整え方に違いがあります。
経験も実績も重ねたエグゼクティブの身だしなみは、新入社員のように教科書通りに整えられたものではなく、どこかに自分なりの大人のこだわりをさりげなく取り入れていることが多いのです。
ファーストクラスでも、エグゼクティブらしいこだわりを持って「身だしなみ」を整えているお客様に多く出会いました。
特に多くのエグゼクティブがこだわりを持っていたのが、「靴」です。
あるフライトで、ファーストクラスに上場会社の経営者がご搭乗になった時のことです。その社長のお召しになっている靴が、今でも鮮明に目に浮かぶほど美しく、まるで鏡のようにピカピカに磨かれていました。あまりにも美しく磨き上げられていたので、思わず尋ねてしまったことがあります。
「靴がとても美しいですね、どのようにお手入れなさっているのですか？」
すると、単なる「手入れ」だけにとどまらない、深い答えを返してくれました。
