日本人の礼儀作法の一つにお辞儀があります。日本では日常のあいさつに伴いお辞儀をすることはもちろんのこと、感謝や謝罪をするときにも必ずお辞儀が伴います。欧米では言葉や握手で気持ちを表しますが、日本人は心を込めてお辞儀をすることで、相手に敬意や謝辞を表します。最近ではアメリカ大リーグで活躍する日本人選手がお辞儀をすることをまねて、メジャーリーガーもお辞儀のパフォーマンスをすることが見られるようになりました。今回はエグゼクティブに見るお辞儀についてです。(CCI代表取締役・元国際線チーフパーサー 山本洋子)
どんなお辞儀をするか、エグゼクティブの差
社会人として企業に入社すると、まず行われるのが新入社員研修です。社会人の第一歩として企業人に必要なビジネスマナーをたたき込まれます。その中に必ずと言っていいほど含まれるのが、「お辞儀」です。
子どもの頃は何となく頭を下げる程度の認識しかなかったお辞儀ですが、社会人になって初めてきちんとしたお辞儀の型を習います。お辞儀には、シーンに合わせて三つの種類があることやお辞儀の種類に合わせて腰を折る角度が違うなど細かい作法があることを学んだ人も多いのではないでしょうか?
シーンに応じてスマートなお辞儀ができるビジネスパーソンは、相手に好印象を与え、信頼感がありますが、残念ながらきちんとしたお辞儀ができるビジネスパーソンはそう多くはありません。
ぺこぺこと頭を何度も下げ、首だけ曲げたお辞儀をしたり、腰を折り過ぎて必要以上に深々と頭を下げたりする人はちらほら見かけます。反対にお辞儀を伴わなければいけないシーン、例えばごあいさつや名刺交換のときなどに、まったくお辞儀をしないであいさつをする人などもいます。本人は無意識なのでしょうが、「やり過ぎなお辞儀」や「適当なお辞儀」が氾濫しているのです。
そんな中で、丁寧にスマートなお辞儀ができるビジネスパーソンは「この人、どこか違う」と一瞬にして人目を引き付けます。
そんな「この人、どこか違う」と思わせたあるビジネスパーソンがいらっしゃいました。