人材育成やチームの目標達成、部下とのコミュニケーション…リーダーにはさまざまな責務がのしかかる。悩みを抱えていないリーダーなどいないだろう。
そこで参考になるのが、全世界でシリーズ累計1800万部を記録するベストセラー著者、ジョン・C・マクスウェル氏の『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』だ。「あの人についていきたい」と思わせる秘けつが満載の本書には、「心に刺さる言葉ばかりだった」「仕事につまずいた時に読むべき特効薬」と激賞の声が多数寄せられ、多くの人が「常にそばに置いておきたい本」として何度も読み返しているという。
本稿では本書より一部を抜粋・編集して、「管理職にしたらヤバい人」に共通する“性格の欠点”を明かす。(構成/根本隼)

「管理職にしたらヤバい人」に共通する“性格の欠点”トップ1Photo:Adobe Stock

「管理職にしたらヤバい」のは他人の成功を喜べない人

 あなたは、どれくらい精神的に安定しているだろうか。

(1) 部下がすぐれたアイデアを提案したら、あなたはそれを祝福するだろうか。
(2) チームが成功を収めたら、あなたはメンバーたちの功績を認めるだろうか。

 もし、上記の2つの点に当てはまらないなら、あなたは精神的に不安定なのかもしれない。精神的に不安定だと、あなた自身だけでなく、チームや組織全体を抑圧してしまうおそれがある。

 組織全体の成果をあげようとすれば、まずはあなた自身の心の安定を確立しなくてはならない。次のことに取り組んでみよう。

★自分を知る
 もしあなたが自分をよく知らないなら、時間をかけて自分について知ろう。性格テストを受けてみるのもいい。

 あなたをよく知っている人に質問して、あなたの長所と短所をそれぞれ3つずつ指摘してもらおう。その人たちの答えを聞いても弁解してはいけない。情報を集め、それについてじっくり考えよう。

★他人の功績を認める
 あなたのチームの成し遂げた仕事が他人の手柄になった場合、あなたは自分が成功できないと思っているかもしれない。

 しかし、それは違う。もしあなたが人びとに力を貸してその貢献を認めれば、あなたは彼らの士気を高めて組織を発展させることができる

 そうなれば、あなたはすぐれたリーダーとして評価されるだろう。

自分の心が不安定だと人間関係もうまくいかない

 フランスの小説家バルザックは人間の本質を鋭い目で観察し、『人間喜劇』という大作の中で近代文明の全体像をとらえようとした。

 彼はこんなふうに論評している。

人びととうまく付き合ううえでの最大の障害は、自分自身とうまく折り合いがついていないことである

 精神的に不安定でいると、能力を発揮できないということを肝に銘じよう。

(本稿は、『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』より一部を抜粋・編集したものです)