日々の忙しさ、焦り、不安……などからメンタル不調に陥る人は多い。そんなときに必要なのはメンタルを鍛えることより、ありのまま自分を受け入れる「自己認識」や「自己感受」の習慣である。その最もシンプルな実践が「書くこと」だ。
そこで、『書く瞑想――1日15分、紙に書き出すと頭と心が整理される』の著者で、5万人以上を変えた習慣化のプロ・古川武士氏が、読者から寄せられた悩みや疑問にお答えしながら、「書くこと」で心を整え、自分を回復するコツを紹介していく。

【習慣化のプロが教える】どうしても続かない「健康習慣」を継続させるコツPhoto: Adobe Stock

健康的な生活習慣を「継続させるコツ」を教えて

[質問]
健康診断の結果が良くない。生活習慣を改善すべきだが、そのエネルギーもやり方もわからない。どうすれば気長に続けられますか?

「95%の無意識」を洗い出す

[回答]
生活における習慣の95%はほとんど無意識に行われています。食事、運動、睡眠、ストレスなどが密接に絡み合い、相互に影響しながら、健康・不健康な生活リズムが作られます。

ポイントは、現状を正確に把握することです。

『書く瞑想』では「デイリージャーナリング」として、その日1日、気分や感情を上げたこと(充電)・下げたこと(放電)を書き出すのを推奨しています。

「放電日記」で悪習慣の真因を探る

ここでは悪習慣を断ち切るために、以下のような「放電日記」を箇条書きで書き出して、現状を明確にしましょう。

●放電の書き方例(できなかったこと、テンションや感情を下げたこと)
 ・睡眠時間が4時間だった
 ・昼眠くて、チョコレートとレッドブルを飲んだ
 ・集中力が持たず残業して、自宅に着いたら23時だった
 ・眠れないからビールを3本飲んで寝たが、トイレで何度も起きた。
 ・夜はストレスからドカ食いした。

このように、放電(できなかったこと、テンションや感情を下げたこと)を書くと、実に日々のことは流れゆく河の水の如く、日々新たになり、それらを総合して俯瞰することはできません。

食事、睡眠、運動、ストレス、時間の習慣がそれぞれどう関連しているか、自分では断片的、感覚的に把握しているにすぎません。

しかし、上記の放電日記を2週間(可能なら1ヵ月)書いてみると、驚くほど悪習慣の真因が見えてきます。

ある人は睡眠不足から甘いものを食べ、コーヒーを飲み、栄養ドリンクを飲み、長時間残業になり、夜眠りにくく、ビールを飲んで朝居眠りになる。

この繰り返しから、ストレスが溜まり、ドカ食いをして、体重が1年間で7キロ増えて、血糖も血圧も肝臓の数値も医者に注意されているということです。

「メタ認知」できると脳は解決策を探り出す

書き出すことは自分を客観視すること、心理学ではこれをメタ認知と言います。我々の脳はメタ認知ができると、自ら解決策を見出すことができます。

まずは、2週間~3週間ログ(放電日記)をとってみましょう。ログがあれば、自ずとピンポイントでの習慣改善の対策をすることができます。