不安や悩みをノートに書き出して、鬱々とした気持ちや頭の混乱をスッキリ整理する――。こうした手法はこれまでジャーナリング、モーニングページ、バレットジャーナル、ブレインダンプ……などとして数多く紹介されてきました。
でも、正しいやり方がわからない、書く時間が取れない、続かないといった声もよく耳にします。そこで、『書く瞑想――1日15分、紙に書き出すと頭と心が整理される』の著者で、5万人以上を変えた習慣化のプロ・古川武士氏が、読者から寄せられた悩みや疑問にお答えしながら、「書く瞑想」のコツについてご紹介していきます。
やりたいことがわからないです。どうすれば見つかりますか?
[質問]
今の職場にいても将来がない気がしています。ずっと居場所ではない感じがしています。だからといって何をしたいのか、明確な方向性がなく悶々としています。やりたいことは、どうすれば見つかりますか?
「方向感覚の喪失」を乗り越えるために
[回答]
私も同じように、学生時代、社会人時代に同じ悩みを抱えてきました。違和感だけが先行して自分の本音がわからない。自分は何者なのか、どうしたいのかが掴めずにもがいてきました。
こういう方向感覚の喪失は実につらいもので、ご相談者に強く共感します。
悩みの解消は「内なる声」を聴くこと
私は人生のコーチングを通じて、これまで1000人以上の人をセッションしてきましたが、多くの悩みは、この方向感覚の喪失、停滞感、くすぶりの人生から脱するのがテーマでした。
私がやることは、一言で言うと、自分の「インナーボイス」を聴くことです。
本音の声、内なる心の声、インナーボイスが聴こえた瞬間に明確な確信と導きの方向性が現れます。
「書く習慣」で心の声に耳を傾け続ける
私は、7年間勤めた会社をやめるとき、「雇われない生き方」という言葉に衝撃を受けて方向を変えました。
このインナーボイスは「内省」を通じて生まれます。
インナーボイスは孵化するまでの葛藤を通じて出てくるものですが、このプロセスを最高に深く、そして明確に気づきやすい状態にするのは、「書く習慣」だと私は思います。
書き続けると、「心の声」が聴こえてくる
来る日も来る日も「何がしたいのか?」を書き続けて、自分の中からインナーボイスが湧き上がる。寺の鐘が深い響きを持って明確に自分に啓示を与えるように、それは確信というしかない、迷いのない導きです。
『書く瞑想』では、セルフトーク(自己対話を通して思い浮かんだ言葉をそのまま書き出す)を通して「心の声」を書き出すことで、そのインナーボイスに近づくことを意図しています。