中国人による悪用はたびたび報告されている

 残念なことに、一部では中国人を含む外国人による公的医療保険制度の意図的な利用も発生している。過去には、保険料を滞納したまま帰国してしまうケースもあった。また、「経営」と目的を偽ってビザを取得し日本で国保に加入、高額な治療を受けた後に「高額療養費制度」を使って枠を超えた分の医療費を取り戻すなどの悪用が報じられている。

 前出の行政書士・I氏が接したケースでは「経営・管理ビザを取得した父親が中国から呼び寄せた子ども3人の中に、眼科の専門治療が必要な子どもがいたなどの事例があった」という。

 また、ビジネスを通して中国人との接点を持つ会社経営者も、「経営・管理ビザを取得した中国人が親族を呼んで治療させているのを何度か目にしてきました」と話している。

 健康保険などから出産時に一定金額が支給される「出産育児一時金」についても、以前から外国人もこれを悪用していたことが報じられた。埼玉県の病院に勤務する看護士は「外国人の中には、日本で出産すればお金をもらえる、タダで産めると思い込んで計画的に来日するケースもあります」と話している。

 また、近年は処方箋薬を欲しがる中国人が増えている。中国人を病院に仲介したことのある日本人男性は、「訪日旅行中の中国人客に糖尿病のこの薬が欲しいとせがまれ、病院に連れて行き、第三者のカルテを使って医師に処方箋を書いてもらいました」と告白している。