上場企業を中心とした物流大手の2023年3月期決算が出そろった。全24社中21社が増収となったほか、営業利益で24社中17社が増益になるなど、おおむね増収増益基調を維持した。前期は、海上・航空運賃の高騰が下期以降に正常化に向かったものの、円安による為替効果の寄与もあり、多くの企業が増収を維持した。利益面では燃油費や電気代の上場が利益を圧迫する面も見られた。一方、今期(24年3月期)の業績予想は、23社(ロジスティードが非公表)のうち7社が減収を、営業利益では23社のうち半数近い11社が減益を見込むなど、業績悪化を想定する企業が増えている。(カーゴニュース編集部)
海上・航空運賃高騰が寄与、円安効果も
上場企業を中心とした物流大手(3月期決算の連結売上高1000億円以上)の業績一覧は、次のページの〈表〉の通り。
売上高では、24社中、3社を除いた21社が増収となった。増収要因として大きかったのは、国際的なサプライチェーン混乱に起因する海上・航空運賃の高騰が第3四半期前後まで続き、売上高を押し上げたほか、円安による為替効果もあった。
国内では、一部でコロナによるマイナス影響が緩和したことで荷動きの回復が見られた。センコーグループホールディングス、AZ-COM丸和ホールディングスは、M&Aの寄与もあり2桁増収だった。
減収になったSGホールディングス(HD)は、下期以降に海上・航空運賃が正常化した影響があったほか、前々期が21%という大幅な増収だった反動減もあった。住友倉庫も減収となったが、期中に海運会社を売却した目減り分が影響した。