新型コロナウイルス禍が落ち着き始め、企業業績への影響も緩和されてきた。だが、円安、資源・原材料の高騰、半導体不足といった難題がいまだに日本企業を苦しめている。その状況下でも、企業によって業績の明暗が分かれているが、格差の要因は何なのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はすかいらーくホールディングス、サイゼリヤなどの「レストラン」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)
レストラン業界は5社増収
コスト増で苦況の一方、増益の企業も
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のレストラン業界5社だ。
対象期間は2022年11月~23年3月期の四半期(サイゼリヤは22年12月~23年2月期、その他4社は23年1〜3月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・すかいらーくホールディングス
増収率:26.0%(四半期の売上収益846億円)
・サイゼリヤ
増収率:15.6%(四半期の売上高407億円)
・ロイヤルホールディングス
増収率:42.9%(四半期の売上高316億円)
・コロワイド
増収率:27.4%(四半期の売上収益585億円)
・トリドールホールディングス(丸亀製麺など)
増収率:30.3%(四半期の売上収益475億円)
レストラン業界の5社はいずれも前年同期比で増収となった。中でもロイヤルホールディングスが4割超の大増収となっている。
各社、エネルギーや原材料の価格高騰や円安などの影響を受けていて、昨年から値上げが相次いでいる。外食需要が回復傾向にはあるが、各社で差が出ているのはなぜなのか。次ページ以降で詳しく解説する。