【社説】トヨタのEV対応、異端視され標的にPhoto:YOSHIKAZU TSUNO/gettyimages

 トヨタ自動車製のハイブリッド車(HV)が気候変動対策に積極的な左派の間で大流行したのはそれほど昔のことではない。進歩的な投資家や政府系年金基金は現在、HV「プリウス」を製造するトヨタを委任状争奪戦(プロキシ―ファイト)で標的にしている。気候変動対策推進派のロビー団体が掲げる電気自動車(EV)の正統性に同社が疑問を呈しているというのが理由だ。

 トヨタは二酸化炭素(CO2)の排出量を公表しており、温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル(脱炭素)」を2050年までに全ての車両で実現するという公約を示した。これは気候変動対策を重視する人たちを喜ばせるはずだ。しかし、進歩的な投資家たちは、グループの新車販売台数が世界首位のトヨタが6月14日に開催する予定の株主総会で、豊田章男会長の取締役選任案の否決を図るとともに、同社の気候変動問題に関連したロビー活動の情報開示を求める決議案への支持を求めている。