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新型コロナウイルス禍が落ち着き始め、企業業績への影響も緩和されてきた。だが、円安、資源・原材料の高騰、半導体不足といった難題がいまだに日本企業を苦しめている。その状況下でも、企業によって業績の明暗が分かれているが、格差の要因は何なのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はANAホールディングス、日本航空の「航空」業界2社について解説する。(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)

大幅増収の航空2社だが
本当に復活したのか…?

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の航空業界2社。対象期間は2022年11月~23年3月の直近四半期(4社いずれも23年1~3月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・ANAホールディングス
 増収率:59.0%(四半期の売上高4488億円)
・日本航空
 増収率:100.8%(四半期の売上収益3700億円)

 航空業界の主要2社は、ANAホールディングスが約6割、日本航空が約2倍の大幅増収となった。

 だが、これまで本連載で解説してきた通り、両社の増収は新型コロナウイルス感染拡大によって大打撃を受け、大幅減収に陥った業績からの反動増の影響が非常に大きい。

 数字の上では、両社は21年4~6月期(22年3月期第1四半期)から8四半期連続で増収を成し遂げているが、実際の「回復度」はどのような状況にあるのか。

 次ページでは、航空2社における売上高・旅客数の回復状況を、時系列データを踏まえて詳しく解説する。