ANAとJALPhoto:PIXTA

新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行したことで、コロナ禍によって大打撃を受けた業界・企業の業績の完全復活に対する期待が高まってきた。上場70社超、23業界を上回る月次の業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移から、6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、2023年3月度の航空編だ。

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現在復旧中になりますので、改めてご覧いただけますと幸いです。(2023年5月19日 17:39 ダイヤモンド編集部)

ANA・JAL「真の回復度」とは

 航空の主要2社が発表した3月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯ANA国際線(ANAホールディングス〈HD〉)の旅客人数
 3月度:前年同月比421.4%(321.4%増)

◯ANA国内線(ANAHD)の旅客人数
 3月度:同172.9%(72.9%増)

◯JAL国際線(日本航空)の旅客人数
 3月度:同374.9%(274.9%増)

◯JAL国内線(日本航空)の旅客人数
 3月度:同174.4%(74.4%増)

 ANAもJALも国際線の旅客人数は前年実績を大幅に超えた。3月は卒業や春休みのシーズンで、新型コロナウイルス禍による水際対策が緩和されて以降、久しぶりに、もしくは初めて海外に行く人も増えた。また、桜開花のシーズンでもあり、外国人の訪日旅行需要も高かった。

 とはいえ、この数字は実のところ、コロナ禍による落ち込みからの反動増の影響が大きい。航空業界を取り巻く環境が依然として厳しいことは、コロナ前の実績と比べた「実態値」を確認するとよく分かる。さらに、深掘りするとANAとJALで違いもあった。2社の「真の回復度」と、その違いを明らかにする。