33歳無職が1人で出版社を始めた理由、「親しい人の死」の絶望を救った一篇の詩従兄が突然亡くなったとき、ぼくは自分までもが死んでしまったような気持ちになりました(写真はイメージです) Photo:PIXTA

パソコンやスマートフォンの画面とにらめっこする毎日。ふと気が付くと「そういえば最近本を読んでないな」ということはありませんか?そこで今回は、高知新聞社「K+」の人気連載「読む時間、向き合う時間」をまとめた書籍、『電車のなかで本を読む』(青春出版社刊、島田潤一郎著)で紹介されている49冊のうちの2冊を抜粋して紹介します。

「ぼくを救ってくれた一篇の詩」

(2016年4月掲載)

紹介する本:『さよならのあとで』 ヘンリー・スコット・ホランド 著 高橋和枝 絵(夏葉社)

 ぼくは、昭和五一年に高知県の室戸市で生まれました。それからすぐに名古屋に行き、三歳から東京で暮らすようになりました。

 高知で実際に生活したことはありませんが、いまも親戚たちが大勢暮らす高知を故郷のように思っています。年に一度は室戸に帰り、叔父が釣ってきてくれた魚を食べ、地元のスーパー「サンシャイン」へ買い物に行きます。

 室戸にいるときは、「おんちゃん、あれ、たいちゃ美味かったわ」といったふうに、室戸弁で話します。

 叔父と叔母は、ぼくを東京に出している息子だといいます。