石黒「ILOでは実際に日本人はどれくらいいらっしゃるんですか?」荒井「約2000人の職員のうち、日本人は40人ほどです。日本人は求められていますし、特に女性は有利かと…」
Photo by T.U.

石黒 では、チャンスは増えていると…。しかし、そうはいっても日本では、なかなか想像することも難しいと思うんです。国際機関は遠く感じるし、自分とは全然違う世界だと感じている人が多いでしょう。実際に日本人はどれくらいいらっしゃるんですか?

荒井 ILOに関しては、本部に1000人、フィールド(途上国)には800人、合計約2000人ほどの職員がいます。その他、技術援助プロジェクトのスタッフが1000人ほどいるとの理解です。そのうち、日本人職員は40人ほどです。この人数は、日本がアメリカに次ぐ分担金を支払っているのに比して、非常に少ないと思っています。その分、日本人はとても求められていますし、特に女性は有利ではないかと。

石黒 もちろん日本への恩恵を求めて活動しているわけではないですよね。

荒井 一個人としては日本の代表者ではないので、日本の国益を代弁することはありません。また、先ほど申し上げたように日本人として働いているという意識は少ないですね。元々国際機関ってダイバーシティを重んじる職場だと思うのです。国籍、バックグランドの違いが価値を生むというか。

石黒 日本人の職員が少ないのは、人材を送り出せない供給サイド(日本)の問題だと思いますよ。

荒井 日本では終身雇用制度が定着していましたから、契約ベースで、数年ごとの異動を伴うワークスタイルが主流である国際機関に渡ってしまうことの不安感もあるのでしょうか。

石黒 あるかもしれませんね。日本に戻って来られるか全くわからないですからね。ちなみに、雇用形態はどうなっているんですか?

荒井 様々な雇用形態がありまして、終身雇用であるパーマネント契約、数年ごとに契約を更新していくフィックスターム、そして、短期契約があります。多分一番多いのが2番目の雇用形態だと思います。

 今、国際的に経済状況が悪いことを受けて、先進国から国連への拠出額も減少しています。その影響で、国際機関も人事面を見直し、終身雇用契約の職員を減らしたり、限られた活動費の費用効果を高めるために効率的な運営方法を模索しています。そうした面からも国連は、新たに民間のマインドを入れて、コスト管理を行うべきだと思うし、チャンスは広がるはずです。

 グローバルな問題に取り組む介入点は無数に存在します。なので、自分が最もやりがいを感じられ、パッションを持ち続けられ、かつ経験・知識を最大限に活かせる環境に自分の身を置くことが重要と考えます。私の場合、常に新しいアプローチを試したり、世界から集まる職員の様々なバックグラウンドを活かせる国際機関は、魅力的でした。

※後編は、3月4日(月)公開予定です。