たとえ小さなことでも気になってしかたがない、いつまでも引きずってしまう、他の人から見れば取るに足らないささいなことに反応して心が傷ついてしまうから、毎日が生きづらくて苦しい……そう感じるあなたは、病気でも、おかしいのでもありません。
傷つきやすい人は、敏感で繊細な気質で知られるHSPの人に限らず、内向的な性格の人、心に大きな傷を負った経験のある人、毒親のもとで育った人、アダルトチルドレンなど、いろいろなケースがあります。また、一見、それとは気づかれない、社交的かつ積極的な性格なのに、実は人知れず傷つきやすさを抱えている人も意外に多く存在しています。
みさきじゅりさんは、ご自身もそんな傷つきやすさに長く悩んできたHSS型HSPで、HSP研究の第一人者、E・アーロン博士の専門家認定プログラムを修了したキャリアコンサルタントです。
ご自身の体験や、傷つきやすさに悩んで相談に訪れた方々に日々アドバイスしていることなどをもとに書かれた著書『とても傷つきやすい人が無神経な人に悩まされずに生きる方法』から一部抜粋・再編集して、HSPの人はもちろん、すべての傷つきやすい人ができるだけ傷つかず、おだやかな日々をすごすためのヒントやコツを紹介します。(初出:2021年7月19日)
人は私を傷つける…
「人は私を傷つけるものだ」と思いこんでおり、自分を守らなければ、と身構えてはいませんか。警戒心が強いあまり、常に神経がピリピリ。こんなときはハリネズミのようなとげとげしい衣を身にまとい、心を守っています。
一方で、感受性が豊かで、自分の心の中の世界をとても大切にしています。
どのくらい大切かというと、心の中は「聖域」であり、「心の中を見せるくらいなら、ハダカを見せるほうがまだマシ」と言う人もいるほどです。
ですから、大切なことを打ち明けて否定されたときには、死にそうなくらいのダメージを食らいます。そんなことは絶対に避けなければなりません。だからハリの衣をまとっているのです。
交流したいけれど交流するのが怖い。
この矛盾が解けないから、安心できない。
いつか心を開いて誰かと仲良くなりたいけれど、傷つかないようにハリの衣を脱げずにいます。