「ベビーカーぶつかり男」動画でフジテレビが誤報、ツイッターに依存するメディアの罪写真はイメージです Photo:PIXTA

前回の記事<漫画『アンチマン』で「ぶつかり男」論争が再燃、注目される加害者側の胸の内>の中でも取り上げた、「ベビーカーぶつかり男」について、その後の余波が広がっている。この動画をある情報番組が取り上げて問題としたものの、その内容が事実と相違していたためだ。(フリーライター 鎌田和歌)

テレビでも取り上げられた動画の内容
ベビーカーにぶつかってきた男

 発端となったのは、プロポーカープレイヤーのななちゃらさん(@poker_chara)が6月7日にツイッター上で公開した動画だ。

 この動画には、東京の恵比寿駅から恵比寿ガーデンプレイスにつながる「動く歩道」の近くで、サングラスにキャップ姿の男がベビーカーをつかみ、それをななちゃらさんが止める様子が映っている。男は「交番へ行こう」「お前の方がヤバいよ」などと言い、近くを通りかかった男女が、男をたしなめる様子もあった。

 ななちゃらさんは「歩いてたら、邪魔だ!ってわざとベビーカーにぶつかってこられた 一応、すみませんって言って去ろうとしたら再度(ベビーカーを表す子どもと車の絵文字)に体当たりしてきて」と、当時の状況をつぶやいていた

 このツイートは15日までに4300万回以上のインプレッションとなり、「ぶつかり男」に対する批判や、止めに入った通行人への称賛などが寄せられていた。

 ななちゃらさんは、このツイートの後に周囲の人が通報して警察が来たことや、防犯カメラ映像もあることをツイートしていた。

「イライラしてたのか知らないけど勝手にぶつかってきて反論したら人様のベビーカー掴むとかマジで有り得ない。周りの人が通報してくれて警察の人がきました。防犯カメラを確認と、この動画、周りの人の証言から暴行罪として被害届を出せるとのことで、明日再度警察署へ。とっさに撮影してよかった」(参照

 ななちゃらさんはツイートの中で、一貫して男から先にぶつかってきたと説明していることがわかる。