働きながら3年で、9つの資格に独学合格! 大量に覚えて、絶対忘れないノウハウとは?
「忘れる前に思い出す」最強のしくみ、「大量記憶表」を公開!
本連載の著者は棚田健大郎氏。1年間必死に勉強したにもかかわらず、宅建試験に落ちたことをきっかけに、「自分のように勉強が苦手な人向けの方法を編み出そう」と一念発起。苦労の末に「勉強することを小分けにし、計画的に復習する」しくみ、大量記憶表を発明します。棚田氏の勉強メソッドをまとめた書籍、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』の刊行を記念して、寄稿記事を公開します。
勉強しても全然わからない。どうすれば?
先月、宅建の受験者よりこんな質問を受けました。
「問題集についての質問です。宅建業法の分野別問題集を解いているのですが、何往復かしているうちに、なんとなく答えがわかってきました。今、理解度は体感5割~7割位のような気がしますが、別の問題集も買って勉強したほうがよいでしょうか? 一つの問題集を完璧にしたほうがよいか、悩みどころです」
私も受験生だったころ、同じような感覚味わっているので、ぜひアドバイスしたいと思っていました。結論をいいます。
「その前にやるべきことがある」
アドバイス① 学習記録をとっていますか?
これはすごく重要です。自分自身が今持っている問題集、どのページをいつやって、合計そのページを何回やっているのか、ちゃんとわかるように記録していますか?
「そんな面倒なことやってねーよ」という方、ぜひやってください。
「だいたい」ではダメです。正確にわかることが重要なんです。
わからない方は、今からでもいいので必ずやってください。これをやらないと、自分の弱点や穴がわかりませんし、直前期にどこを補強していいのかわからなくなります。「試験に合格できない」「不安だ」という方は、今すぐ学習記録をとってください。
アドバイス②「なんとなく」ではなく「正確」に
「何往復かしているうちに、なんとなく答えがわかってきました。今、理解度は体感5割~7割位のような気がします」
ここも非常に重要です。同じような感覚の人絶対大勢いると思います。私も受験生の時、一時期そうでした。
だからこそあえてはっきり言います。
なんとなくではダメです。答えに行きつくまでのプロセス、理由、さらに周辺知識、ここまで思い出せて初めて完璧といえます。
ポイントは「思い出す」ということ。
問題集が解けるのは「当たり前」
問題集を中心に勉強をするということは、すなわち問題集に掲載されている問題の○×が当たるのは当たり前、これが大前提です。これが当たって喜んでいるようでは合格できません。それはただ答えを丸暗記しているだけです。そうではありません。
問題集を繰り返しやる理由、それは1つの選択肢を軸にして問題を解くためのプロセス、理由付け、そして周辺知識(解説欄の知識)これらをセットで覚えるためです。
覚えるためには、ただ問題集をやっている状態から「思い出せる状態」に意識的に移行して言ことがとても大切なんです。
誤解しないでほしいので、もう一度言いますが、問題集を覚えるというのは、「問題集に掲載されている問題に全問正解できる」ということではありません。そんなの当たり前です。
問題集に掲載されている問題を解くときのプロセス、理由付け、解説欄の周辺知識、これを覚えるということです。そしてその補助ツールとしてテキストを辞書のようにして使うというイメージです。
私は、働きながら3年で、9つの資格に独学合格したのですが、紙1枚勉強法という勉強法のおかげです(昨年、この勉強法をまとめた『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』という書籍を出版しました)。
大量記憶表というツールを活用し、「覚えたことを忘れないように、忘れる一歩手前で思い出す」を重視する勉強法になります。
大量記憶表を使い、「一定周期で忘れる前に思い出す」を意識的に実践することで、完全に覚えることができます。すると、体感5割~7割位が9割になります。そうなって初めてほかの問題集に手を出してください。「試験に合格できない」「不安だ」という方は、「なんとなく」覚えている知識を「正確」なものに近づけていきましょう。
働きながら3年で、9つの資格に独学合格!
はじめまして、棚田健大郎と申します。この度、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』を上梓します。私は、働きながら3年で、次の9つの資格に独学合格しました。
行政書士、宅地建物取引士、マンション管理士、管理業務主任者、ビジネス法務エキスパート®、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、賃貸不動産経営管理士、敷金診断士、シニアライフ・相続アドバイザー
勉強が得意だったわけではなく、最終学歴は専門学校です。ただ、すべての試験に一発合格できたわけではありません。最初に取得した宅建士は、試験勉強をしっかりしたにもかかわらず、一度落ちています。
1年間がんばったが不合格。その理由は?
当時、サラリーマンだった私は毎日の仕事が忙しく、スクールに通って勉強時間を確保するのが難しかったので、独学合格を目指していました。帰宅後、毎日3時間勉強していたのですが、合格点に1点足りずに落ちてしまったのです。
1年間勉強して落ちたときの心境は言葉では言い表せません。すべてを否定された気がしました。これだけの時間をつぎ込んでも合格できないのは、根本的にやり方が間違っていると思いました。勉強法を見直すことにした私に、ある1つの考えが浮かびます。
「暗記さえできれば合格できる」
不合格になるのは、答えを間違えているから。その原因の多くは、答えを導き出す知識を覚えていないからです。勉強したことを試験日まで「絶対に忘れないようにするしくみ」を作れば、必ず合格できます。
そして試行錯誤の末、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』が誕生しました。やることはいたってシンプル。覚えたことを忘れないように、「忘れる一歩手前で思い出す」のです。その進捗管理に、私が考案した「大量記憶表」を使います。
「紙1枚勉強法」のメリット
・一度覚えたことを絶対に忘れない
・スケジュール管理ができ、学習効率が大幅アップ
・「見える化」により、モチベーションがとぎれない
この勉強法を確立してからは、9つの資格をたった3年で合格できました。この勉強法は、資格試験だけでなく、大学受験や公務員試験、その他のあらゆる勉強にも応用可能です。
働きながらでも、時間がなくても絶対大丈夫!
資格取得に興味が出てきた人に立ちはだかるのが「時間がない」という壁です。仕事に追われている会社員や家事に追われている人が、「じゃあ、資格の勉強してみようかな」と思っても、「1日数時間も時間がとれない。ましてや、スクールに通う暇なんてない」と思うでしょう。
でも絶対大丈夫。仕事や家事と試験勉強の両立は可能です。私自身、最も仕事が忙しい時期に、市販の問題集と参考書を使った完全独学で、9つの資格をとりました。何とか合格したいと思い、
・過去問の徹底活用(参考書は補足教材)
・1日2~3時間の勉強時間を無理なく確保できる「耳学」
・短時間でも勉強の質が高くなるモチベーションマネジメント
こうした工夫も行いました。あますところなく紹介しますので、「忙しくて勉強時間を確保できない人」でも完全独学で合格できます。この本を読んで実践すれば、必ず結果はついてきます。
今、あなたの前には「日々の忙しい仕事」「勉強時間の確保」という大きな壁が立ちはだかっていますが、それはほんのちょっとした「しくみ」で突破できるのです。
試験直前に効くノウハウも満載!
本書では私が実践してきた、
・試験6か月前、2か月前、2週間前の最強勉強法
・試験当日に一気に点数を伸ばす10のテクニック
・3年間で9つの資格をとった同時受験ノウハウ
これらも紹介しています。すべて「働きながら」「完全独学」「一発合格」には欠かせません。
本書は私にとって初めての著書になります。この本を読んだ人が、勉強によって人生を変えることを強く願い、心を込めて書きました。私の持てる全知識を出し惜しみすることなく公開することを、ここにお約束します。
本書の主な内容
序章 働きながら9つの資格をとった理由
第1章 紙1枚でできる「忘れさせない大量記憶法」
・紙1枚とペンでOK! 大量記憶法の進め方
・過去問は「点」ではなく、「面」で理解する
・記憶メモリーを有効に使う「覚え歌」暗記法
第2章 「ながら学習」で大量記憶! 耳学をマスター!
・超効率学習「耳学」の2ステップを公開!
・耳学に慣れると、解答スピードがアップする!
・「目に入れて覚える」しくみを作ろう
第3章 三日坊主を撃退するモチベーションマネジメント
・勉強はモチベーションが9割
・がんばりすぎず、「やる気貯金」をためよう
・「勉強期間は1年」という考えを捨てる
第4章 試験6か月前、2か月前、2週間前の最強勉強法
・6か月前「覚えるより、忘れないを重視する」
・2か月前「手持ちの問題集を完璧にする」
・2週間前「復習を怠らず、自力模試を行う」
第5章 試験当日に点数を伸ばす10のテクニック
・三種の神器を会場に持参する
・ケアレスミスを防ぐ○×チェック法
・ワンブーストで「見直し時間」を確保する
第6章 私の資格試験体験記――同時受験のススメ
・最大のメリット「記憶の維持」がラク
・同時受験の勝率を上げる3つのポイント
・「本命試験が後の場合」の試験攻略法