広がる「隠れ手数料」、誰のせい?Photo:Michael Ciaglo/gettyimages

 消費者は追加料金にいらいらしている。レストランからホテル、コンサート、出前にいたるまで、オンライン上で安い価格を見せられて、クリックを続けるとさまざまな手数料が加算され、支払額が増えるケースが増えている。

 追加の手数料は嫌だと誰もが言うが、こうした「ドリップ・プライシング」――研究者や当局はこう呼ぶ――は私たちの支払う金額を増やすのになぜ大きな効果があるのかが、四つの実験で明らかになった。ここで注意すべきは、ドリップ・プライシングの問題がチップのように「エモーショナル・ブラックメール(感情的な恐喝)」ではないことだ。ドリップ・プライシングに交渉の余地はない。またドリップ・プライシングはなぜ物価が公式データで示されるよりも高い印象を与える可能性があるかの説明にもならない。消費者物価指数にはこうした追加手数料や税金が反映されている。

 四つの実験から分かるのはなぜ追加手数料が急速に広まっているかで、それは消費者自身のせいだというのがその結論だ。消費者心理学を研究するコロンビア大学マーケティング学教授のビッキー・モーウィッツ氏は「手数料がかかると分かっていても、私たちはその大きさを過小評価する」と話す。