日経平均がバブル後最高値を更新した。だが、「将来のお金の問題が不安だ」「投資が大切だと漠然とわかっているが、なかなか行動に踏み切れない」「貯金や投資を始めてはみたものの、自分の方法が正しいかどうか確信が持てない」──そんな悩みを抱えていないだろうか? そんな人に朗報がある。
全世界300万部突破『サイコロジー・オブ・マネー』著者モーガン・ハウセルが「ニックのように、データの真の意味を理解できるデータサイエンティストでありながら、説得力のあるストーリーを語れる人はまずいない。絶対読むべき一冊だ」。全世界1000万部突破『Atomic Habits』著者ジェームズ・クリアーが「お金に関する価値ある知恵と実践的なアドバイスが満載」と強力ダブル推薦する注目書がついに日本上陸。
全米ベストセラー『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』だ。
全米屈指のデータサイエンティストによる、お金を貯め、富を築くための証明済の方法を初公開。本稿では、本書から一部を抜粋・編集しながら、「支出と貯金に関する意外な関係」について見ていこう。

「支出を減らせばお金持ちになれる」にダマされるな!Photo: Adobe Stock

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの研究

 ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの研究者による「なぜ人々は貧しいままなのか?」という論文は、意欲や能力ではなく、元手となる資産がないことがいかに人々を貧困に陥れているかを説明している。

 この研究では、バングラデシュの女性の村人に富(例:家畜等)を無作為に割り当て、それが将来の収入にどう影響するかを調べた。

 その結果は、論文に次のように記されている。

「元手となる富を一定以上与えられた人は、貧困から逃れられた。
 だが、与えられなかった人は貧困に逆戻りした。(中略)これは一度大きな額の富を手に入れることで、長い間貧困に苦しんでいた人でも、生産的な職業に就きやすくなることを示唆している」

 つまり、多くの人が貧しさから抜け出せないのは、意欲や能力のせいではなく、生きていくための最低限の収入しか得られない低賃金の仕事に就いているからなのだ。

 お金がないので、高収入の仕事に就くための訓練や資金が得られない。

「支出を減らせばお金持ちになれる」に
ダマされるな!

 これが貧困の泥沼だ。

 ランダムに現金を支給するケニアでの実験でも、同様の結果が得られている。

「支出を減らせばお金持ちになれる」は、パーソナルファイナンスの最大のウソなのだ。

 金融メディアは、「1日5ドルのコーヒー代を節約すれば百万長者になれる」と謳う。

 しかし、それが可能になるのは、投資によって年率12%のリターン(市場平均の8~10%を大きく上回る率)を得ている場合だけである。

 しかも、仮に年率12%のリターンが得られたとしても、それは相場下落時にパニックに陥って売り払ったりせず、何十年にもわたって株式のポートフォリオを100%保有することが前提になる。

 これは「言うは易く行うは難し」だ。

私たちをバカにしたメッセージに
ダマされるな!

 メディアは、食器用洗剤を自作したり、デンタルフロスを再利用したりすればお金を節約できると節約を促している。

 これらがお金持ちになるための裏づけられた方法だという論調は大いに問題だ。

「あなたがお金持ちになれないのは、激安の洗剤を使っていないからです!」
 ――といったメッセージは、私たちをバカにしている

 こうした記事を鵜呑みにすべきではない。

 メディアは特殊なケースを取り上げ、あたかもそれが一般的な真実であるように伝えている。

資産を増やすための鉄則

 はっきりさせておこう。

 お金持ちになるための王道とは、突き詰めると、収入を増やし、収益を生み出す資産に投資することになる。

 もちろん、支出に気をつけなくてもいいわけではない。

 誰もが定期的に自分のお金の使い方を見直し、無駄がないことを確認すべきだ(たとえば、利用していないサブスクリプションがあれば契約解除すべきだし、不要な贅沢品には手を出すべきではない)。

 だが、一杯のコーヒーを楽しむ時間を一生我慢し続けなくてもいい。

 お金を増やすのに、爪に火を点すような節約をしながら死ぬまですごす必要などない。

できるところは引き締め、後は収入を増やすことに集中する

 ――これが、資産を増やすための鉄則なのだ。

(本稿は『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』の一部を抜粋・編集したものです)