4万人以上のダイエットを成功させ、自身もウエスト58ⅽmを30年間キープする健康運動指導士・植森美緒の新刊「生きてるだけで、自然とやせる! やせる日常動作大図鑑」。食事制限&運動なしで、部分やせできてリバウンドしないという夢のような方法は、日常動作をちょっと変えるだけという簡単なことだった! 本連載では、「生きてるだけで、自然とやせる!」さまざまな日常動作を紹介していきます。
細いけど、細いだけじゃない!
人生を楽しむためのしなやかで長持ちする体づくり
「いつになったらやせられるんだろう?」
昔、10年間もダイエットに失敗し続けていたころ、私はそんなことばかり考えていました。
もし今、あなたが昔の私と同じように感じているとしたら、ダイエットという名の迷路から抜け出すことです。私が道先案内人になります。
体型に悩む方々に私がお伝えしたいのは、週に1回ほどの「運動」よりも、日々、くり返す「日常動作」のほうが体型を細くする効果が高いということです。そして、普段の動作ひとつで、食事制限や筋トレではできない「部分やせ」が可能ということです。
はじめまして、健康運動指導士の植森美緒です。
「私はもう30年以上、ウエストサイズ58cm(身長163cm、体重46kg)をキープしています」
そんな話をすると、皆さんは私がストイックに運動や食事制限を行っているか、昔から太らない体質なのだろうと思われるようです。
でも実際の私は運動が苦手で、若いころはずっとぽっちゃりしていて、妹から「美緒ブタちゃん」と呼ばれていました(泣)。そんな私がどうして今の体型に変わったのか、自己紹介を兼ねてご説明します。
右:やせて30年以上体型キープする58歳のいま
ダイエットで失敗をくり返した青春時代
私は、中学3年生のころからずっと、細いジーンズに憧れてさまざまなダイエットに挑戦しては、失敗をくり返していました。体重は最大64kgまで増え、ダイエットにつぎこんだお金も高額で思い出すのが恐ろしいくらいです。
22歳のとき、「スポーツトレーナーになればやせられる!」と思いたち、会社員時代の貯金をはたいて専門学校に通い、スポーツクラブに転職しました。
ところがなんと、筋トレしてもたくましくなるばかりで一向に細くなりません。それどころか運動しすぎたせいで歩けないほどひどく腰を痛めてしまい、情けなくてすごく落ち込みました。
ターニングポイントは自前コルセット
ところが、このときに使った腰痛用のコルセットがターニングポイントにつながったのです。「いつまでもコルセットに頼っていると腰痛が再発しやすいのかも──」と感じた私は、コルセットをはずし、代わりにコルセットをつけているときのようにお腹を締めておくことにしました。そうしたらなんと、いつの間にかジャージのウエストが少しゆるくなり、少しですがウエストが細くなったのです!「きつい腹筋運動をいくら行ってもダメだったお腹が、普段引っ込めていただけで凹んだ」というのは驚きでした。
このとき、「筋肉には形状記憶する性質がある」と気がついた私は、以来、スタイルをよくする日常動作を実践しながら研究してきました。そして細いだけではなく、しなやかで長持ちする体を目指して腰痛も克服。70cm以上あったウエストは58cmまで細くなり、30年以上もリバウンドすることなくキープしています。
体型を変えるのは、よくも悪くも普段の動作だった!
生活が変わったことで、知らず知らずに日常動作が変わり、そのせいで望まない方向に体型が変わってしまうことはまったくめずらしい話ではありません。
「引っ越しして、自転車で山坂を上るようになったら太ももが太くなった」
「健康のためにとスポーツタイプの自転車で通勤を始めたら、いつの間にか前より猫背になった」
「ウエストがゴムの服ばかり着るようになったら、体重は変わらないのにウエストが肥大化した」
など。
逆に、私が直接ご指導した方から、こんな驚きのエピソードもいただいています。
「毎日1時間もウォーキングしてもダメで、ヨガやピラティス、食事にも気をつけたけれど凹んでくれなかった下腹が、歩き方を変えただけでウソのようにペタンコになり、お尻の形もきれいになった」
という40代の女性。
「洗濯機の脱水を待つ数分間、小尻になる動作を行っていたら2サイズ近くダウン。『こんなに大きかったっけ?』というくらいズボンがゆるくなった」
という60代の女性。
わかっていただけたでしょうか。
体型を変えるには、日常動作を自分の目指す体型に合った動きに変えること。
それを生活の中でくり返し、習慣にするだけでよいのです。
*本記事は『生きてるだけで、自然とやせる! やせる日常動作大図鑑』から、抜粋・編集して構成したものです。
*著者/植森美緒(健康運動指導士) 監修/金岡恒治(早稲田大学スポーツ科学学術院教授・スポーツドクター)