TBS系『金スマ ~中居正広の金曜日のスマイルたちへ~』で「番組史上最も楽して痩せる食事術」として紹介され、爆発的な反響をみせた『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)。美味しいものをお腹いっぱい食べて、なんならお酒も飲めるのに、運動なしでも痩せられるという驚きの食事術。この食事術を、やはり運動なしで半年間実践して10kg痩せた経験があり、現在70代にして20代の頃の体重をキープしている著者・江部康二医師が、もう2度と太らない医学的に正しいダイエット法を伝授! ひもじくなるようなカロリー制限は一切ナシ。お腹いっぱい食べていいし、筋トレもジョギングもしなくていい。
その体脂肪、運動ナシで落とす方法を教えましょう!

※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

【医師が教える】実は“果物は太りやすい”決定的理由Photo: Adobe Stock

果物はヘルシーな食べ物?

【前回】からの続き 果物に含まれる果糖は以前、健康にいい糖質だと考えられていました。

実際は健康にいい糖質などありませんが、世の中ではそう思われていたのです。

その根拠となったのは、果物(果糖)を食べても血糖値があまり上昇しないことです。

果物は太りやすい

しかし、果糖は小腸から吸収されると肝臓に直行し、そこで速やかに「中性脂肪」として蓄積されるので、血糖値はあまり上昇しない代わりに太りやすいのです。

このように、体内に入った果糖をすぐさま中性脂肪に変えてしまうのは、人体に備わった防衛反応ではないかと、私は考えています。

果糖はブドウ糖よりも約100倍も猛毒のAGEsを生成しやすくてかなり危険なだけに、即座に代謝して中性脂肪に変えておく必然性があるのでしょう。

全身を駆け巡る“果糖の害悪”

それでも摂取した果糖は、すべてが中性脂肪に変えられるわけではなく、血液に入ります。それが全身を巡り、AGEsを生成して血管や臓器にダメージを与えます。

農耕を始める前の私たちのご先祖様も、野生の果物を口にすることはありましたが、それは量・質ともに現代の果物とは大きく異なります。

現代の果物は品種改良によりサイズが大きく、糖度も高く、果糖がたっぷり含まれています。イチゴであれば、野イチゴは小粒で酸っぱいのに、ブランドもののイチゴなどは同じ果物とは思えないほど大ぶりで甘みが強いです。

果汁100%の果物ジュースは危険?

現代の果物は、もはや「毒」と考えたほうがわかりやすいと、私は思っているのです。

より注意が必要なのは、ヘルシーなイメージのある果汁100%の果物ジュースです。オレンジジュースやブドウジュースなどの果物ジュースは、甘くて喉越しがいいので、コップ1、2杯は平気で飲めてしまいます。

健康に良さそうだからと飲んでいると、大量の果糖が体内に入り、体内に中性脂肪とAGEsが蓄積してしまいます。

厚労省も注意をうながす

果物ジュースには食物繊維がほぼ含まれていないので、体内へ果糖が急速に吸収されます。

厚生労働省も「果汁100%のジュースは食物繊維が期待できず、糖分も多いので注意が必要です」としています。

野菜ジュースにも50%程度の果汁が含まれている場合があります。「栄養成分表示」の糖質量をよくチェックしてから買うようにしましょう。【次回に続く】

※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。