おすすめポイント
“コミュ障”であることを自覚している要約者は、誰かと会話をするとき、ついつい「何か話さねば」と意気込んでしまう。誰かと会う前には「今日は何を話せばいいのだろうか」「果たして話がもつだろうか」と心配になることが多い。そんな自分を変えるきっかけを、本書が与えてくれた。
冒頭で著者は、「聞く力があれば初対面の人ばかりの集まりでも、商談でも、恋愛でも、あなたは『傾聴力』ただ一つだけで、どこでも誰にでも心配せずに会いに行けます」と書いている。この言葉の通り、本書ではどんなシチュエーションでも、そしてどんな相手とでもうまく話せて、相手の本音を引き出せる「聞き方」が紹介されている。著名人のエピソードなどもふんだんに盛り込まれていて理解しやすく、明日からどころか、今すぐにでも実践できるノウハウが満載だ。読み終えた今、「早く誰かと会って話したい」「どんな相手との会話でも盛り上げられそうだ」と考えている自分に気づき、驚いている。
本書を読んで、「聞くこと」に対する考え方がガラリと変わった。聞くことは単なるコミュニケーションにとどまらず、自分を深く理解し、よりよく生きることにもつながるのだ。
「習慣」という言葉がタイトルにあるように、本当の聞き上手は、細かいテクニックを意識せず、無意識的に相手の話を引き出しているものだ。早くその境地に達したいと願いつつ、まずは「傾聴」の一歩目を踏み出してみよう、そんな勇気をもらえた一冊だった。(Judas)