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問題が発生した次元では解決できない
相対性理論でノーベル賞を受賞したアインシュタインは、受賞後の1922年末に来日し、全国十数か所で講演を行ないました。そのアインシュタインが残した言葉に「いかなる問題も、それが発生したのと同じ次元で解決することはできない」という名言があります。
「いかなる問題も」というだけあって、物理学などの学問分野に限った話ではないようです。
たとえば、サラリーマンに当てはめると、次のように言い換えられます。
「サラリーマンが抱える問題は、サラリーマンの次元では解決できない」
あなたの職場にも、理不尽な「アレ」や「コレ」がたくさんありませんか?
パワハラ、嫌がらせ、人間関係、常軌を逸したノルマ、押し売り顔負けの営業協力など、あげるとキリがありませんよね。
厄介なことに、サラリーマンの次元では解決できません。それゆえ永遠の課題ともいえます。
また、あなたご自身も、サラリーマン特有の悩みや問題を抱えていませんか?
たとえば、税金や社会保険の負担が大きい。役職定年や定年退職による収入減が避けられない。やりがいが感じられないなど、いろいろあると思います。でも、自分の力では解決できないですよね。
サラリーマンに取りうる3つの選択肢
アインシュタインが言う通り、これらはすべて、サラリーマンの次元では解決不可能です。それゆえサラリーマンの半数近くは、いさぎよく諦めて、これらの問題を受け入れています。悟りの境地に達しているので、それも1つの生き方だと思います。
一方で、何とか解決しようと頑張っている人も半分以上は存在します。その場合、選択肢は3つあります。いずれも「サラリーマンとは別の次元」で問題を解決します。
出世とは目指すものではなく、運試し
一番ポピュラーな方法が、雇われる側から雇う側にまわって、サラリーマンの次元を脱出する方法です。具体的には出世して役員を目指します。
もちろん、役員になっても「税金や社会保険の負担が大きすぎる」という問題は解消しません。とはいえ、「役職定年や定年退職による収入減」は、ある程度解決できます。しかも、経営の舵取りに関わることができるので、やりがいも感じられるかもしれません。多くのサラリーマンが出世を目指す理由も、このあたりにありそうです。
とはいえ、部長クラス以上ともなると、本業のスキルよりも社内政治のスキルで勝敗が決します。上から引っ張り上げてもらわなければならないので、上司との相性など運不運の要素が強くなります。その意味では、選択肢というよりも運試しに近いかもしれません。
自立するのは、ハイリスク・ハイリターン
2つ目の選択肢は、雇われる働き方を完全に卒業して、自立を目指す方法です。
自立すると、税金や社会保険料をコントロールして、節税できるようになります。また、役職定年も定年退職もありませんので、気力と体力が続く限り、いつまでも仕事を続けられます。一国一城の主ですから、やりがいも感じられるのではないでしょうか。サラリーマンではなくなるので、「サラリーマンの次元では解決できない問題」のすべてが解消されるということです。
とはいえ、自立にはリスクが付きものなので、実際にこの道を進む人は、少数派です。自立を目指す働き方は、ハイリスク・ハイリターンだということです。
ノーリスク・ミドルリターンを目指す現実路線
3つ目の選択肢は、自立を目指しながらサラリーマンを続ける方法です。
自立する働き方は、お試しレベルにとどめます。したがって、本業に支障が出ない範囲で、アフター5や土日に無理のない範囲で、お金を失わない方法で予行練習を始めます。副業が解禁されたことで、世の中は副業ブームですが、副業未満の「副業ごっこ」から始めるイメージです。
うまく進んだ場合にのみ、少しずつ規模を拡大して、安全性を確認したうえで、自立に踏み切ります。これにより、最終的にはサラリーマンを卒業できるので、「サラリーマンの次元では解決できない問題」のすべてが解消されます。得られる効果は、2つ目の選択肢と同じなのです。それでいて、自立にともなうリスクは最小限です。
万が一うまくいかなくても、「副業ごっこ」なので、お金と失うことはありません。「副業ごっこ」を始めると経営者目線が身につくので、運が良ければ本業で役員に出世できるかもしれません。最悪の場合でも、半数近くの人がやっている「悟りの境地」で解決します。
自立を目指しながらサラリーマンを続ける方法はこのように、ノーリスク・ミドルリターンなので、最も現実的です。あなたなら、どの選択肢を選びますか?
**本記事は、『40代からは「稼ぎ口」を2つにしなさい 年収アップと自由が手に入る働き方』著者による書き下ろしです。