頑張っても成果が出ない」「思うように考えがまとまらない」「他人からいつも評価されない」と悩む方は多くいます。その悩みを解決するために「個人のセンス」も「やみくもな努力」も必要ありません。人に認められている「優れた考え」から自分の脳内に「再現性のある回路」をつくればいいのです。『発想の回路 人を動かすアイデアがラクに生まれる仕組み』の著者、クリエイティブディレクター中川諒氏による「いつも結果を出す人」の秘伝の思考技術を紹介します。

会議で「いいことを言わなければ」と思った時、やるべきことPhoto: Adobe Stock

「知識」より「経験」を増やす

総務省が発表しているデータによると、2020年のインターネット全体の情報量は2002年に比べて6000倍以上という数値が出ています。

情報がアイデアの源だとしたら、極端な話6000倍のアイデアが出ないとおかしいわけです。

さらに、わたしたちの接触する1日の情報量は、江戸時代の人々の1年分、平安時代の人々の一生分だとも言われています。

しかし、頭に入ってくる情報よりも、自分の体を使った経験の方が大切です。

商品であれば、お店に出向いて買ってみます。

サービスであれば、使ってみます。

わたしは、タバコの会社をクライアントとして担当したときには、生まれて初めてタバコを買って1ヵ月吸ってみることからはじめました。バイクの会社をクライアントとして担当することになって一番初めにしたことは、教習所に通ってバイクの免許を取得することでした。

これらは少し極端な例かもしれませんが、「知っていること」と「やったことがあること」の間には間違いなく大きな差があります。

情報が溢れるこの時代には、知っていることを増やすよりも、やったことがあることを増やす方がアイデアは間違いなく出やすくなるのです。

やったことのないことを楽しみながら体験するメンタリティが、アイデアを生み出します。

会議には立って参加する

また、わたしは会議もなるべく立って参加しています。

人は座ると、気持ちも座ってしまうのです。

会議室の中を動き回ったり、ホワイトボードを大きく使って、できるだけ自分自身をアクティブな状態にしています。

逆に会議で椅子に座っていると、「いいことを言わなければ」という気持ちになり、間違ったことが言いにくいムードが生まれます。

“ちゃんと”会議しないといけないという空気がわたしたちに重くのしかかり、アイデアを発言しにくい環境をつくってしまうのです。

しかし、会議に立って参加し、アクティブな立ち居振る舞いをすることで、自分だけでなく周りのアイデアも引き出しやすくなります。

(本記事は中川諒著『発想の回路 人を動かすアイデアがラクに生まれる仕組み』から抜粋し、一部を改変・編集したものです)