アニメーション映画監督の新海誠アニメーション映画監督の新海誠 Photo:Frazer Harrison/gettyimages

活躍ぶりが目立つ
3人の卒業生たち

 長野県東部の、群馬県と隣接する佐久市にある県立高校だ。個性あふれ、機知に富んだ卒業生を多数、育んできた。

 活躍ぶりが目立つ卒業生を3人、紹介しよう。

 脚本家、アニメーション映画監督の新海誠(1973年生まれ)の知名度が抜群だ。新海が手掛けたアニメ映画『君の名は。』『天気の子』、それに最新作の『すずめの戸締まり』は、どれも興行収入100億円を超える話題作となっている。

 新海は、長野県佐久郡小海町の出身。野沢北高校から中央大学文学部に進んだ。ゲーム会社に勤めたが、2001年に退社し、アニメ映画を自主製作した。16年に全国公開された『君の名は。』は、ロサンゼルス映画批評家協会で長編アニメーション賞を受賞するなど多くの賞を受賞し、国際的に評価された。新海を国民的アニメ監督のポジションに押し上げた。

 3年後の19年には『天気の子』を公開、次いで22年11月から公開した『すずめの戸締まり』は、公開87日で観客動員数1000万人を突破した。第73回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した。

 全作品を通じて「新海ワールド」とも称される風景描写の美しさ、巧みさがにじみ出てくる。ただし新海は自身を評し、「絵を描くよりも言葉や音を第一義に考える人間」としている。娘の新津ちせ(2010年5月生まれ)は子役として活躍している。

 経済界で注目される経営者がいる。ソフトバンクグループの連結子会社で傘下に無料通信アプリのLINEやヤフーをもつZホールディングス(HD)社長の出沢剛(1973年生まれ)が、野沢北高校―早稲田大政経学部卒だ。

 ZHDは10月1日に、ヤフーやLINEなどと合併し、新会社「LINEヤフー」となるが、新会社の社長には出沢が就任する予定だ。重複する事業や組織を統廃合し、経営の効率化を図る。

 言論界で気を吐いている人物としては、青木理(おさむ、1966年生まれ)を挙げられる。野沢北高校―慶応大文学部卒で、共同通信記者からフリージャーナリストに転じ、テレビでコメンテーターも務めている。反骨精神あふれる硬派の評論で、定評がある。