早稲田大総長の田中愛治早稲田大総長の田中愛治 Photo:JIJI

東大、東工大、早稲田大などで
学長・総長を務めた卒業生たち

 6年制中高一貫の私立男子校で、「自調自考」を校是としてきた武蔵高校(東京都練馬区)。学者・文化人として活躍した卒業生も、たくさん輩出している。

 大学の学長・総長を務めた人物を、挙げてみよう。

 田中愛治は計量政治学が専門で、2018年11月より第17代早稲田大総長に就いている。武蔵高校―早稲田大政経学部卒だ。米オハイオ州立大大学院博士課程修了。父親は右翼活動家で、「政界のフィクサー」と言われた田中清玄(旧制北海道庁立函館中学・現北海道立函館中部高校卒)だ。

 光量子物理学が専門の五神(ごのかみ)真は、15年4月から6年間、東京大総長を務めた。22年4月からは、理化学研究所理事長だ。東大理学部物理学科―同大学院博士課程中退だ。

 東大総長では、物理学者の有馬朗人がいた。俳人としても知られ、文化勲章を受章した。旧制静岡県立浜松一中(現浜松北高校)―旧制武蔵高校卒だ。理化学研究所理事長、中央教育審議会会長、参院議員、文相など多くの公職を歴任した。武蔵学園長にもなった。20年12月に死去した。

 東京工業大学長としては、分子光化学が専門の田中郁三と、精密工学者の三島良直が武蔵OBだ。三島は12年~18年の在任だ。

 宇宙物理学者で名古屋大学長をした早川幸男もいた。京大、東大、名古屋大教授を務めた。1992年に現職の学長のまま68歳で死去した。

 電気工学者の原島文雄は東京電機大学長、首都大学東京の学長をした。

 松前達郎は金属工学者で、東海大総長・理事長を務めた。東海大創立者の松前重義(旧制熊本県立熊本中学・現熊本高校卒)の長男だ。達郎は、参院議員も4期務めた。

 宍戸駿太郎は官庁エコノミストで、国際大学長を務めた。

 久保文明はアメリカ政治が専門の政治学者で、21年4月から防衛大学校の校長だ。