桐生祥秀をはじめ
多くの陸上競技選手を輩出

 全国に鳴り響く進学校だ。その一方、スポーツの強豪校としても知られる。京都駅の南西1キロに、弘法大師・空海ゆかりの東寺(教王護国寺)がある。その境内にある中高一貫の私立高校だ。

佐々木蔵之介佐々木蔵之介 Photo:JIJI

 まずは陸上競技。男子100m走で日本人として初めて10秒を切った桐生祥秀(よしひで、日本生命所属)が卒業生だ。2017年9月、日本学生陸上競技対校選手権大会(福井市)で、東洋大4年の桐生は、9秒98を記録した。サニブラウン(城西大学附属城西高校卒)によって19年6月に破られるまで、この日本記録を保持した。

 16年のリオデジャネイロ五輪では、4×100mで桐生は3走を務め、銀メダルを獲得した。21年の東京五輪では100メートル走での代表入りを逃し、4×100mで3走を務めたが,1走から2走の間のバトンミスで失格に終わった。

 桐生は滋賀県彦根市内の中学卒後、毎朝4時半に起きて京都市南区の洛南高校まで通い、「陸上漬け」の日々を送った。ただ、高校のグラウンドは直線が80mしか取れず、ミニハードルを中心としたトレーニングを積んだ。

 中長距離選手で現在、花王陸上競技部監督の高岡寿成(としなり)は、2002年10月のシカゴマラソンを3位でゴールし、2時間06分16秒のタイムをマークした。18年2月の東京マラソンで設楽悠太(埼玉県・私立武蔵越生高校卒)に5秒だけ記録を更新されるまで15年間以上も、これが男子マラソンの日本記録として続いた。

 高岡は洛南高校時代、全国高校駅伝に3年連続して出場、龍谷大学に進学した。大学4年あたりから大ブレークし、カネボウに入社した。

 洛南高校教諭で陸上部監督の柴田博之は、桐生や高岡の指導者だった。自身は走り幅跳びで、88年のソウル五輪に出場した。