不動産業者にハメ込まれる恐れ

 大抵この手の投資話にはサブリースがセットになっていて、サブリース契約が外れると銀行ローンは即時に全額返済を求められるケースが多い。そんなお金はないので結局は売れない。結局、サブリース会社に泣きついて買い手を紹介してもらうしかない。そこで相場より安い値段を提示されても飲むしかない。何を隠そう、サブリースをしているのはマンションを販売した会社やその関連会社だ。紹介される買い手も高利回りを謳ってハメ込まれた次のカモなのである。

 さらに、この手の物件は、建築コストも高いし、各種の手数料も割高だ。そして、これはこの物件以外にも当てはまるが、築10年以上ともなれば入居希望者がぐっと減り、家賃を下げざるを得なくなる。修繕コストもかかる。

 ビル1棟を買って10部屋あるというならまだマシだ。1部屋が空いても9部屋残っているので返済計画も大きくは狂わない。地方にはそのような不動産オーナーも多いが、そうした地方の不動産オーナーがよくやる失敗が1棟貸しだ。

 たとえばパチンコ店やカラオケ店に1棟を全部貸し出す。そのほうが手間がかからず楽だが、その店が出て行くことになれば、1棟が全部空くことになる。新たに1棟借りてくれるテナントを見つけるまで、そのビルからの収入がゼロになってしまう。これに対し、1フロアだけ、あるいは1フロアの一角だけ貸すようにすれば、そうしたリスクは減らせる。

 いずれにせよ不動産投資は、それなりの資金力があり、物件数を持てる人ほど有利になる。お金がない人は成功しにくいことを覚えておいていただきたい。

FXは借金地獄への入り口!?

“チャラ3”の二つ目がFXだ。2022年に突如として始まった円安の流れの中、FXで儲けた人も多いだろう。FXは「外国為替保証金取引」のことで、為替差益で利益を得ようというものだ。

 たとえば1ドル=100円でドルを買い、150円になった時点で売れば、1ドルあたり50円の利益が出る。逆に150円で買って100円で売れば、50円の損失になる。

 今回のように急激な値動きがあると、短期間でいっきに儲けることも可能だ。たとえば1ドル120円の段階で1万ドルを120万円で購入、150円で手放せば30万円儲けたことになる。

 逆に損をした人もいただろう。148円のときに1万ドル買った人が、その後の円高に慌てて142円で売る。この場合の損失は6万円になる。

 もっともこの程度なら、たいした話ではない。FXの問題は、レバレッジだ。

 FXでは、証拠金の最大25倍まで取引が可能になる。たとえば証拠金として6万円を差し入れれば、150万円の取引ができる。わかりやすく1ドル=150円で計算すると、6万円で1万ドルを購入できる。もし翌日にドルが152円になれば、1万ドルの価値は150万円から152万円になったわけで、1日で2万円上がったことになる。

 つまり6万円で買った1万ドルで2万円儲けたことになり、日利にすれば33%。闇金融も真っ青な儲け方だ。

 これが逆の場合だと、どうなるか。1ドル=150円から一晩で140円になると、10万円のマイナスになる。預けている証拠金が6万円なら、4万円の借金をすることになるのだ。

 手持ち資金の25倍まで勝負できるFXは、一攫千金の可能性がある代わりに、一瞬で元手を失うリスクがある。健全な資産運用とは言えないので、これをメインに考えるのはやめた方がいいだろう。