お金の終活 シニアの資産運用&死に際のお金の管理#8Photo:123RF

60歳を前に運用を本格的に開始し、すでに数億円の金融資産を手にしたKさん。特集『お金の終活 シニアの資産運用&死に際のお金の管理』(全13回)の#8では、自身の体験を基に、自分年金づくりのコツを語ってもらった。

「週刊ダイヤモンド」2023年3月25日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

他人任せではなく自分の手で
定期的な収入の「自分年金」を確保

 年金に頼って生活するシニア層が、日々感じていることがある。それは「あともう少し、月に5万円か10万円の収入があればなあ」ということ。だがこの5万円、10万円がなかなか確保できない。

 ジリジリと減っていく預貯金を見ながら、ため息をついている人もいるだろう。

 そこで、他人任せではなく自分の手で、定期的な収入となる「自分年金」を確保することを提案したい。一般的なリタイア生活者の姿を想定すると、月々の生活は公的年金や企業年金などの「他人の管理下で運営されている」年金に頼る格好になっている。自分で確保できる定期収入がかなりあるという家庭は少ないはず。

 自分年金とは、各種の資産運用、つまり株式や投資信託、ETF(上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)への投資、あるいは債券投資などから得られる配当金、分配金、利子などで確保する収入を指す。このほか賃貸向けマンションや貸家があれば、毎月受け取る家賃収入もここに入れてよい。

 50歳を超えた方々は、各自で自分年金の確保策を考え、収入確保に向けて早めに一歩を踏み出すべきだ。時は金なり。時間を無駄にはできない。

 自分年金づくりは、まず「年金以外のプラスアルファの収入」がどれほどあるのか、この点を確認することから始まる。

 すでにある程度、株式投資や投資信託、債券投資などで配当金や分配金を受け取っているのなら、足元の収入をもう一度、きちんと確認する。もし年間40万円ぐらい確保できていたら、第1目標となる年60万円(月5万円)の収入はそんなに遠くはない。

 次ページでは、60歳から始める「自分年金」づくりのコツと投資サイクルをお届けする。