株式投資をする人たちの間で大きな支持を集める話題の1冊が『株トレ――世界一楽しい「一問一答」株の教科書』だ。60問のクイズを答えるだけで、「投資のコツ」をつかめる手軽さが人気で、「今まで読んだ株の本の中でトップクラス」「すごく理解しやすい」と絶賛の声が続々だ。
本稿前半では、『株トレ』の著者である楽天証券・窪田真之氏に「これから株で稼げるようになりたい人が第一にやるべきこと」を教えてもらった。さらに本稿後半では『株トレ』から一部を抜粋して紹介する。
上達のコツは、勉強よりもトレーニング
――これからチャートを学んで「株で稼ぎたい」「トレードの腕を磨きたい」という人が、まず最初にやるべきことは何だと思いますか?
窪田真之(以下、窪田):チャートの形をたくさん覚えれば、株で勝てるようになると考える人が多いのですが、そうではありません。
最も大事なのは、チャートを見て、実際に自分で売買を繰り返してみることです。
これは日本人全体の傾向なのかもしれませんが、何かを始めようと思った時に「失敗しないように、まずできる限りたくさんの知識を頭に入れておきたい」と考える人が多いです。
そのため、そういった初心者向けに、チャートのパターンをたくさん覚えさせる本も人気です。
ですが上達の近道は、知識を蓄える前に自分の手を動かしてみることです。
――「知識→実践」ではなく、「実践→知識」の順序の方がいいというわけですね。
窪田:例えば、英語の学習を思い浮かべてみてください。
文法や英単語の本を読んだからといって、英語を話せるようになるわけではありません。
それよりも実際に英語を使う環境に身を置いて会話のトレーニングを積んだ方が、断然早く上達しますよね。
また、英会話のトレーニングを積んで、成功や失敗を繰り返した後で、文法や英単語の本を読んだ方が、本の知識をより深く吸収できるでしょう。
株も一緒です。
自分で売買をしてみて、成功や失敗を繰り返した後で、本を読んだ方が、圧倒的に早く上達します。その本が伝えようとしている理論も、よく理解できるはずです。
そうは言っても、いきなり売買を繰り返すことに抵抗がある人も多いので、実際の売買にできるだけ近い感覚でトレーニングをできるように作った本が『株トレ』です。
『株トレ』のクイズに挑戦
約2ヵ月前に以下の株を1100円で100株買ったら、すぐに上昇。ただし、しばらくすると、やや上値が重くなってきました。
ここから売り、買い増し、様子見、どうする?
1100円で買った株が、足元1264円です。買い値より164円高いので「含み益」がある状態です。
含み益が「絵に描いた餅」に終わらないうちに、利益確定売りしたほうが良いでしょうか?
それとも、ここはどんどん攻めるところと考えて買い増し?
あるいは、よくわからないから、様子見?
正解は……
正解は、様子見(買い増しでもOK)。
株価は、上値・下値とも切り上げており、上昇トレンドを保っています。
売買高は高水準を保っています。人気は落ちていません。ここで売ってはもったいない。
ちょっと上がると、すぐに売ってしまうのが、個人投資家や初心者の悪いクセです。
逆に、下がって買い値を下回ると、塩漬け(売らないで長期保有)にしてしまうのも、初心者の悪いクセです。
(本稿は、『株トレ――世界一楽しい「一問一答」株の教科書』から抜粋・編集したものです。)