ロシアがサウジアラビアを追い抜き、中国に石油を輸出する最大の供給国になろうとしている。ウクライナ戦争によって世界市場が一変する中、サウジの影響力の限界を示す変化といえそうだ。  ロシアのウクライナ侵攻以来、サウジは世界最大のエネルギー消費国である中国でのシェアを着実に失っている。ロシアが原油価格を大幅に値引きして売っているためだ。サウジは今月には減産に踏み切ったが、価格上昇によって需要減を補う効果を生むには至っていない。  ロシアでは民間軍事会社「ワグネル」の反乱をきっかけに混乱が生じているが、今のところ同国のエネルギー業界にはほとんど影響が出ていない。