2023年の首都圏中学入試の受験者総数は過去最高を記録した。開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕、武蔵、海城……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。VAMOS代表の富永雄輔氏は、最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』で、子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」を提唱し、圧倒的な支持を集めている。本稿では、富永氏が登壇したオンラインセミナー(2023年6月2日開催)で、参加者から出た質問への回答を紹介する。

「中学受験か公立か?」人気進学塾代表が教える学校の選び方Photo: Adobe Stock

Q. 共学校と男女別学校、どちらがいいのか?

質問者:小学6年生の子どもを持つ保護者

――志望校を考える中で、男女共学がいいのか、男女別学の学校を選ぶべきか、悩んでいます。どのように決めるといいと思いますか?

富永雄輔(以下、富永):ひと昔前は、「公立=共学」「私立=男女別学」という考え方が一般的だったので、わが子を男子校に通わせたい、または女子校に通わせたいという思いで中学受験をする家庭が多かったと思います。

 ですが、今は共学の私立もたくさん増えてきて、人気の共学校もたくさんあります。あえて共学校を選ぶ保護者も多くなってきています。

 どちらかがいいということはなく、それぞれの家庭が、どんな学生生活を望んでいるか次第だと思いますので、まずはお子さんに聞いてみてください。

 そしてぜひ一緒に、学校に足を運んでみて、雰囲気を確かめてみてください。

Q. 公立に行かせるのはダメなんですか?

質問者:小学生6年生の子どもを持つ保護者

――第一志望に受からなければ公立に行かせようと思っているのですが、第二志望以下であっても受かれば私立に行かせるべきなのでしょうか。どう決めたらいいのでしょうか?

富永:何をもって良し悪しを比較するかは難しい問題で、公立にも私立にもそれぞれメリットとデメリットがあります。

 1年後にお子様が中学校生活を楽しめているかどうかをイメージすることも大事ですし、その学校を卒業する時や、10年後の将来を考えた時に、どんな大人になってほしいかということを想像することも重要です。

 あくまで一つの判断基準ですが、進学実績のことを考えてみると、ほとんどの公立中学は進学実績を公開していません。

 皆さんのお子様が地元の公立中学校に通った時に、学校の中でどれくらいの順位だと、どこの高校に入れるのかということは、すごく気になると思うんです。

 公立中学の場合は、進学実績をほとんど公開していないので、現時点で高校から先の進路を具体的にイメージする難しさはあると思います。

 ただ、公立にも私立にもそれぞれ長所短所があるので、まずは公立私立問わず、ぜひたくさんの学校を見学してみてください。

 絶対に私立に行かせたいというご家庭の方も、まずはぜひ地元の公立も見学してみることをおすすめします。

 それぞれの学校に、全く違う特色があるので、その違いをふまえてお子様にあった学校を選ぶことが大切です。

 学校のホームページに行くと、学校公開日や学校説明会が掲載されているので、足を運んでみてください。