開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。

「子どもに自信を持たせる勉強のさせ方」1つのコツPhoto: Adobe Stock

「わが子の現在地」を正確に把握し、勉強の目標を立てる

 家庭内に同年代の子どもがいないひとりっ子の場合、ともすると目標設定がずれたものになります。

 たとえば、今のわが子が「7」という地点にいると考えているとして、その根拠はなんでしょう。もしかしたら「3」なのかもしれません。

 そうした曖昧さに加え、ひとりっ子の親は理想が高く、3の位置にいる子どもに「10までいって」と望みがちです。しかし、そんな無理な目標を立てても、破綻するのは明らかです。

 だから、勝手な判断はやめ、ほかの子どもたちを観察しつつ、わが子がどこに位置しているかを正確に把握した上で、今後の計画を立てましょう。

「できないこと」よりも「できること」に着目する

 ただし、ほかの子はあくまで「比較対象」として見るに留め、「比べて一喜一憂する」ことはしないでおきましょう。大事なのは、わが子を今よりも伸ばすことです。

 無理な目標を子どもに課してしまうとき、親の頭の中には、それができているほかの子が存在しています。

 親はどうしても、自分の子どもより上の子どもを見て、「○○ちゃんはできるのに……」と口にしてしまいます。しかし、これほど子どもにとってつらい言葉はありません。

 多くのひとりっ子は、できる部分とできない部分がデコボコしています。そのできない部分について、ほかの子と比べてみても得られるものなどありません。

 どうせ比べるなら、できる部分に着目し、親子で自信にするくらいがいいのです。

 中学受験においても、大事なのは親子の戦略です。「どうしてできないの」などと言っているのは最悪で、いかに自分たちが勝ち残るかを一緒に考え、計画に落とし込んでいくことが必須です。

(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)