北大西洋条約機構(NATO)の首脳会合には数カ月にわたる準備期間を経て三十数カ国の首脳が参加するもの。だが、加盟国ではないウクライナに対する支援を巡る議論が今も続いており、その行方は予断を許さない状況となっている。議論を呼んでいるのは、ウクライナが今後NATOに加盟することに関し、どの程度まで踏み込んで約束をするかという点だ。NATOは2008年にいずれウクライナの加盟を認めるとしたが、ウクライナ軍がロシア軍に対し予想外の成果を挙げ続けていることを背景に、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はより声高に速やかな加盟を要求している。だが、ジョー・バイデン米大統領は9日、ウクライナ加盟に関して採決を呼び掛けるには時期尚早だと発言した。米CNNに出演した同氏は、「まだNATO加盟の準備ができていないと思う」と述べ、加盟は「すべての条件を満たすのに時間がかかるプロセスだ」と続けた。