1万件を超える「幼児から高校生までの保護者の悩み相談」を受け、4000人以上の小中高校生に勉強を教えてきた教育者・石田勝紀が、子どもを勉強嫌いにしないための『勉強しない子に勉強しなさいと言っても、ぜんぜん勉強しないんですけどの処方箋』を刊行。子どもに失敗してほしくない、教育熱心な人ほど苦悩を抱える大問題への意外な解決法を、子育てを「動物園型」「牧場型」「サバンナ型」にたとえて解説します。
子どもが自律、自立する“放牧”子育て3つの条件
子どもには本来、自分で成長していく力が備わっています。
親がその成長を応援し、安心して好きなことに取り組める環境を用意すれば、子どもは自分から牧場に飛び出し、サバンナへと旅立っていきます。
子どもの自律と自立をうながす“放牧”子育ての基本条件は次の3つです。
① 親子でたくさん雑談する
コミュニケーションの量は信頼関係と比例します。
でもこれは勉強と関係ない話題に限った話なので、子どもが嫌がる勉強の話題は封印して、その日あったいいことを親子で報告するとか、ニュースを見て興味を持った話題について会話するといいでしょう。
雑談が増えて信頼関係が深まると、子どもは安心してぐんぐん成長していきます。
② 呪いの言葉を口にしない
「勉強しなさい」「早くしなさい」「ちゃんとしなさい」は、子どもの自己肯定感を破壊する呪いの言葉です。
この3つを言えば言うほど、勉強嫌いになり、ぐずぐずが直らず、もっとだらしなくなります。
この3つの言葉は絶対に言わず、できないことは伴走してあげると、自己肯定感が上がっていきます。
③ 生活習慣を身につけさせる
牧場型の時期は、「あいさつ」「時間管理」「整理整頓」の基本的な生活習慣を身につけさせます。この3つは学力と相関関係があることもデータでわかっています。
時間管理と整理整頓は、最初はやり方を教えて、ある程度、自分でできるまでサポートしてあげてください。
あいさつは主体性の表れで、主体性がある人には情報が集まってきます。時間管理すると先を見通す行動ができます。整理整頓ができると勉強の情報整理もできます。
例外的にこの3つができない天才系もいますが、レアケースです。
*本記事は『勉強しない子に勉強しなさいと言っても、ぜんぜん勉強しないんですけどの処方箋』から、抜粋・構成したものです(次回へ続く)。