日銀7月会合で物価見通し「上方修正」確実視Photo:PIXTA

7月下旬公表の物価見通し
上方修正は確実

 今月27、28日に開催される金融政策決定会合では、7月の経済・物価情勢の展望(展望レポート)が発表される。そこで日銀の物価見通しが上方修正されるのは間違いない。

 政策委員による物価見通しの中心値は、4月時点で1.8%(2023年度)であったが、これが上方修正され、物価安定目標の2%を超えてくると予想される。また、24年度については、4月の展望レポートで2.0%であったが、こちらも上方修正される可能性がある。

 今年度半ばにかけて前年比プラス幅が縮小するという日銀の見通しは維持されるとしても、2%の物価安定目標達成に向けて大きく前進することになる。

 しかし日銀は、4月の金融政策決定会合で、2%の物価安定目標に、「賃金の上昇を伴う形で」という条件を加えハードルを高めている。今年の賃上げは、これまでよりも高い水準となったが、来年はどうなるか今の段階では判断できない。このため、物価安定目標の達成を宣言するまでには至らないと思われる。