宇宙ビジネスを手掛ける衛星事業者や政府機関は、軌道に到達するためにある企業の支援を得ている。それはイーロン・マスク氏率いる米宇宙開発ベンチャー、スペースX(本社・カリフォルニア州ホーソーン)だ。同社への依存度はますます高まっている。スペースXはロケット打ち上げ市場の大半を掌握している。同社は再使用型ロケットの一群を保有するが、それらは他を圧倒するスピードで――しかも低コストで――飛行可能だ。天体物理学者ジョナサン・マクダウェル氏が集計した打ち上げデータによると、同社のロケットは2022年に米国の発射拠点における顧客向けロケット打ち上げの66%を占め、今年上半期では88%を占めていた。同社の市場支配はしばらく続く見通しだ。ロシアのウクライナ侵攻を受け、ロシアのロケット「ソユーズ」を選択肢から除外する顧客が増えたうえに、アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏が率いる米ブルー・オリジンやフランスのアリアンスペースの競合ロケットはまだ飛び立てずにいる。
ロケット打ち上げ、スペースXが事実上独占
宇宙飛行士の輸送と衛星打ち上げでライバルを圧倒
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