頑張っているのに成果が出ない。どうすればいいのか、途方にくれる人も少なくないだろう。そんな人におすすめなのが、『1位思考──後発でも圧倒的速さで成長できるシンプルな習慣』。「週刊ダイヤモンド」「トップポイント」など数々の書評で絶賛。創業9年目で売上300億円にしたアンカー・ジャパンCEOの猿渡歩氏、初の著書だ。猿渡氏は「適度にサボると生産性は上がる」という。コンサル→ファンド→27歳アンカー・ジャパン入社→33歳アンカーグループ最年少役員→34歳アンカー・ジャパンCEOになった著者が、参入したほぼ全製品カテゴリーでオンラインシェア1位になった秘密は、シンプルな6つの習慣にあった。本書の一部を抜粋しながら急成長の秘密を明らかにしていこう。
バックキャスティング思考とは?
未来に視点を置き、理想となる未来像を描き、そこに向かってアクションを起こすことを「バックキャスティング」という。
手にしたい未来のために、今からアクションを起こすことはできる。
数年後のあるべき姿になるために、いつまでに何をすべきかと考えてみる。
私はこの「バックキャスティング思考」を大事にしていて、「近い将来こうなっていよう」と考え、それを実行するための仮説を常に考えるようにしている。
反対に現在や過去のデータから未来を予測することを「フォアキャスティング」という。
プライベートでもビジネスでも後者の思考法がより一般的だろう。
今年の売上がいくら、来年は何%伸びそうだから、いくらになりそうだといった具合だ。
もちろんこの思考法が大事な場面もある。
だが、知らず知らずのうちに成長スピードが限定されることが多い。
具体例を交えて解説してみたい。
ありたい姿から現状を差し引く思考法
まずゴールを決め、そこから逆算すると必要なものが見えてくる。
ありたい姿から現状を差し引くことで、今何をすべきかがわかる。
目的と手段は常に逆転しがちだ。
何がしたいのか、そのために何が必要なのかを考える。
登山で考えると、最初にどんな道具が必要かと考えてはいけない。
近所の小さな山にハイキングに行くのと、エベレスト登頂を目指すのでは装備はまったく違う。
キャリアも同じだ。
どうなりたいのかというゴールを設定することが大事だ。
それが不明確なまま勉強し始めると、英語習得自体が目的になったり、資格取得が目的になったりする。
英語や資格は手段でしかない。
目的もなく多種多様な資格を取得する人は、完全に目的と手段が逆転してしまっている。