米国民の賃金の伸びが2年ぶりにインフレ率を上回った。このことは労働者に家計面で安心感を与える一方、米連邦準備制度理事会(FRB)の物価上昇抑制の取り組みを難しくしている。  労働省によると、インフレ調整後の平均時給は6月に前年同月比1.2%上昇した。歴史的な高い伸びが物価高で帳消しにされる状況が2年間続いていたが、その後、季節調整済みで2カ月連続の上昇を記録した。  この傾向が続けば、米国人に消費拡大を通じて経済を動かす余裕が生まれ、米国がリセッション(景気後退)を回避する一助となる可能性がある。