スペインの有権者は23日の総選挙で、政治的右派に転じた。この結果は、一部から不安の声が伝わっているかもしれないが、欧州にとっては良いことだ。中道右派政党が左派と極右の両方に代わる信頼できる選択肢となって、総選挙で好結果を収められることを示す例がまた一つ見られた。連立を組むと想定される勢力が、いずれも議席の過半数を獲得できなかったことから、新政権の形は依然はっきりと分かっていない。しかし、個々の政党の傾向は明らかだ。アルベルト・ヌニェス・フェイホー氏率いる国民党は下院(定数350)で136議席を獲得し、2019年終盤に行われた前回総選挙での89議席から大幅に伸ばした。ペドロ・サンチェス首相の与党である社会労働党は122議席を獲得。4年前は120議席だった。同党と連立を組む急進左派のスマルは31議席と、前回の38議席から減らした。
【社説】スペイン右傾化、でも極右にあらず
保守派は左派の代替狙い好結果
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